断言します。
独学の教科書/中田敦彦 P2,3
勉強はめちゃくちゃ面白い!
勉強がつまらない人はほんの少し、勉強の「やり方」を帰れば勉強が”最高”のエンターテインメントに変わります。
「あっちゃんカッコイイ!!」でおなじみの、オリエンタルラジオ中田敦彦による独学の教科書。
自身のyoutubeチャンネルで毎日様々な知識を解説しているのですが、解説される知識は元々知っていた知識ではなく、動画のために毎度毎度勉強しているとか。
そんな筆者が日々実践している勉強の様々なテクニックを紹介した一冊。
本書のポイントは、「勉強って面白い」と思うこと。
「テストで出るから」とか「一般教養だから」、「仕事で役に立つ」と言った理由ではないんですよね。
そのための方法として紹介される様々なテクニックの根底は「興味を持つ」こと。
興味を持つことで、自然と知りたくなり、勉強する事への抵抗が薄れてきます。
そうやって、様々な知識に興味を持ち、知っていく事で新たに学んだ知識と、すでに知っている知識が結びつき、理解が深まり、スムーズに知識が身につきます。
結果、勉強する事が楽しく感じるようになれのでしょう。
だから本書は、様々なテクニックを通して、そもそもの勉強への精神に働きかける本とも言えるでしょう。
そんな内容なので、本書は、社会に出てから、改めて勉強を始めようとしている社会人。
特に、学生時代のやり直し勉強やリベラルアーツと言われる一般教養を勉強しよう!と、意気込んだもののイマイチ勉強に身が入らなかったり捗らなかったりする人におすすめしたい一冊です。
本書を通して、勉強がもっと身近に感じる事ができると思います。
独学の3つのポイント
本書のポイントである「勉強って面白い!」と思うために必要不可欠なのが、「興味」又は、「好奇心」
そんな、好奇心を生み出すためのテクニックがたくさん載っている本書ですが、基本的には3つのポイントで構成されているように感じました。
1.知識を絞って知るところから始める
何かしらのジャンルの知識を学ぶ時にテキストの1ページ目から最後まで集中して読み通すことは、興味がある事か、何か必要に迫られない限りはなかなかやってのける事ができませんよね。
だから、このポイントの目的は、興味を持って学び続けるきっかけを作る必要があります。
そのためには、そのジャンルの全体の流れを順に追うのではなく、情報を一点に絞って掘り下げてみる事から始めます。
例えば、世界史や日本史を学ぶのであれば、特定の時代背景、文化、偉人、もっとニッチな偉人や出来事など。
文学であれば、筆者の生い立ちなどのプロフィール、その筆者が生きていた時代など。
そんなふうに、情報を一点に絞って知識を掘り下げていくと小さな知識が全体の知識に繋がり始め、知識と興味の輪が波及的に広がっていきます。
結果、そのジャンルを学ぶことに対する抵抗が薄れていき、もっと積極的に学ぶ事ができるようになります。
2.身近な事から学んでみる。
もし、あなたが知識は一切ないけれどほんの少し興味がある授業に出席したとしましょう。
席につき、講師が入ってきて授業を始めます。
その授業が例えば、宇宙に関する講義だとして、いきなり始まった講義の内容が、スペースシャトルが重力を振り切って地球から飛び出す、第2宇宙速度の求め方を延々と垂れ流されたら次回の講義には出席しないでしょう。
残念なことに、人間は自分が知っている内容出ないと楽しめなかったりするんですね。
カラオケで、全く知らない曲を上手に歌っている時よりも、そんなに上手じゃなくてもみんなが知っている曲を歌っている時の方が盛り上がりますよね。
同じように、どんなに素晴らしい講義でも書籍でも、全く知らない知識を延々と聞いていてもこちらも盛り上がりません。
だから、何かを学び始めるときは、いきなり既存の知識が追いつかないような内容ではなく、なるべく身近に感じれる内容から始める事が大事です。
何か興味を持って、そのジャンルの本を買ったのに、いきなりレベルの高い本を買ってしまって躓くのはこう行こうとですね。
例えば、英語であれば日常会話から入り始めて、会話のバリエーションを増やしていくのも手です。
他には、地元の名物、名所、縁のある偉人から歴史を学んでみたり、今身近に起きている社会現象から、現代社会の政治や経済に入り込んでみるのもイイかもしれませんね。
ここ最近であれば、コロナウィルスの影響を身近な範囲から調べて、徐々に世界情勢や社会経済などへ興味を波及していくのもイイんじゃないでしょうか。
3.知識の軸を作り、そこに新たな知識を結びつける
このポイントは、今までの知識を包括する大きな流れとなる知識を身に付け、そこから新たに学ぶ知識、特に、さらにレベルの高い知識を学ぶための土台作りです。
様々な知識の入り口を好奇心という鍵で次々開けて、学ぶことへの抵抗が薄れてきたら、一度基本に立ち返ってみましょう。一つの知識の軸を作ります。
例えば、世界史の全体の流れ、英語の文法などが知識の軸となります。
つまり、前述の2つのポイントと逆の内容を学びます。
事前に様々な知識の断片があれば、すでに知っている内容が多いので、新たに学ぶ大きな流れである知識の軸を学ぶ事の難易度は下がってきますし、軸となる知識の学びを通して、今まで学んだ知識が繋がる事で、さらに深い理解をする事ができます。
本書で筆者は特に、歴史の軸を作ることを重要視しています。歴史の縦軸を作り、そこから他の知識を横展開して新たな知識を学んでいくのです。
では、どんなふうに展開することができるかというと、例えば、
18世紀後半に興った産業革命という知識は、テクノロジーの視点から見れば、第一次産業革命と捉えられ、今のAIブームである第四次産業革命へ展開し、AIやIoTなど現代で最も注目を浴びている分野へ展開することができます。
また、産業革命により労働力を売る労働階級と労働者から労働力を買い、商品を生産させる資本家という構造が生まれ、カール・マルクスによる資本論という経済学の古典へと発展することもできます。
こんなふうに、歴史の軸をある程度構築しておくことで、それが事前知識となり、他の分野の学習の助けになるのです。
小さな火に薪を焚べろ
本書の最終的な目的は「勉強って楽しい!」と思うことです。
そのためには、何度も言うように「興味」や「好奇心」が必要です。
だからこの本は、心の内に灯った小さな興味や好奇心の火に薪を焚べ、その日を大きな炎へ育てるための方法がたくさん詰まっています。
なので、全く興味ない分野を無理やり学ぼうとしたり、資格勉強のための勉強などはあまり向いていないかもしれません。
しかし、本書の中のテクニックを試すことで、小さな火が生まれるかもしれません。
もし、小さな火を生み出す努力ができるのであれば、この先どんな物事でも学び続けることができるのでしょう。
僕らの人生は常に大きな流れの中にあります。その流れの中では、昨日常識だったことが非常識になり、今まで見向きもされなかった知識が主流になることもあるくらい不安定です。
そんな不安定な世界だからこそ、僕らは一生学び続ける必要があります。
しかし、学び続けることは言うほど簡単ではありません。だからこそ、「勉強って面白い!」と思うことが必要なのです。
つまらないことは続きませんが、それでもやらなくてはならないと思っている事リストの中に勉強がずっと居座っているのであれば、本書を通して改めて勉強と向き合ってみるのは如何でしょうか?
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