今週は、原田マハの短編集とどうやって僕らに『欲しい!』という感情を起こさせるかについて考えることについての本、そして口コミとはどうやって広がるのか?ということについての本を読みました。
モダン
アートたちが紡ぐ物語
アートを愛し、苦悩と夢を持った人々の短編集。
『楽園のカンヴァス』で衝撃を受けてから原田マハの作品をちょこちょこ読んでおります。
個人的に一番気に入ったのが、5つの短編のうちの3つ目。『私の好きなマシン』
マシン・アートに夢中になり、一番好きなパーツは「ベアリング」だ。と語る少女ジュリアの物語。
プロダクトデザイナーとなり名を馳せたジュリアのもとに、世界をひっくり返すようなパソコンのデザインのオファーが舞い込む。
アートと物語を結びつけた世界観は病みつきになりますね。
「ここにあるものはね、ジュリア。僕たちが知らないところで、僕たちの生活の役に立っているものなんだ。それでいて、美しい。それって、すごいことだと思わないかい?
モダン/原田マハ P115(私の好きなマシン)
「欲しい」の本質
欲しいは想像の外側にある
もので溢れかえる現代で、ものを売るというのはある意味おかしな商売な気がするけれど、僕らは「欲しい」という感情に突き動かされてあいも変わらずものを買う。
そんな、衝動を作り出すアイデアはどうやって生み出されているのか?
前に、『それ、なんで流行ってるの?』でマーケティングって面白いな。と思い、その派生で読みました。
僕らがどうやってものを買っているのか。言い換えれば、どうやって交わされているのか?について知る事ができます。
実は僕らは「こういったものが欲しい」と思っているようで、実はそうではないのです。
僕らの想像の外側にある、言葉や形になっていないモノを刺激するようなもの。つまり「新しい価値」を体現した商品に引かれて「欲しい!」と反応して、それらを買っているのです。
新しいマーケティングや行動経済学と呼ばれる学問など、研究の進んでいる領域においては、「消費者は、自分の行動を正しく説明できない」と言われています。
「欲しい」の本質 人を動かす隠れた真理「インサイト」の見つけ方/大松孝弘、波田浩之 P31
口コミはこうしてつくられる
『バズ』の理論
マーケティングに興味を持った派生で、バズに関することにも興味が出てきたので手を出してみました。
本書「口コミはこうしてつくられる」は今から18年前の2002年に上梓されてた本です。
なので、インターネットはありますが、TwitterやinstagramなどのSNSについては書かれていません。
しかし、媒体がなんであろうと、バズらせるのは人間なので人間の仕組みが変わらない限りバズの仕組みは変わらないでしょう。
結局、人がトピックに対してどんな感情を引き起こす事ができるかによってバズるかどうかが変わってきます。そして、小さなバズがたくさんのフォロワーをもつ「インフルエンサー」などに拡散されバズが始まります。
しかし、SNSで爆発的に多くの人の目に見えるように広がっていても、結局は、オンライン上での拡散よりもオフライン間の繋がりによる口コミの方が効力は強いようです。
何かをバズらせる予定はないのですが、何においても「仕組み」について学ぶのは面白いです。
インターネットの発達によって、口コミの伝達スピード、情報を共有する人のの量と範囲は飛躍的に増大した。消費者間の繋がりをどう利用するか、あるいは消費者間のつながりにどう助けてもらうかは、企業のマーケティング、ひいては経営全体にとっても、極めて重要な課題になっている。
口コミはこうしてつくられる/エマニュエル・ローゼン P335
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