良い集中は良いパフォーマンスを発揮し、素晴らしい結果へとつながります。
しかし、僕らはなかなか集中モードに切り替える事ができずにいます。
原因は様々。睡眠不足、何かしらのストレス、通知が鳴り止まないメッセージ、etc…。
現代社会は僕らの集中力をたやすく奪って行きます。
とは言っても、集中できない訳を何かのせいにしてダラダラと作業を続けてては一生良いパフォーマンスは生み出されません。
集中モードの3つのスイッチ
できる事なら集中できない原因を片っ端から撃退して行きたいところですが、時間がかかることの方が多いでしょう。
なので今回は、集中力を高めるのではなく、集中モードに切り替える。しかも、手っ取り早く切り替える事ができるテクニックを3つ紹介します。
カフェイン
カフェインは最強のスマートドラッグです。お手軽に脳を覚醒させてくれます。
もちろん、飲み過ぎは禁物ですが。
缶コーヒー一杯分のカフェイン(約150mg~200mg)を飲む事で、約30分で疲労感が安らぎ、注意力の維持時間が向上する。という事が調査結果で出ています。
どのくらいの集中力アップが期待できるかというと、約5%前後。
5%前後と聞くと、大した事がないように聞こえますが、チェスプレイヤーを対象にしたドイツの実験によりますと、
200mgのカフェインを飲んだプレイヤーは、チェスの世界ランク5000位から3000位に上がるレベルに匹敵します。
たかが5%されど5%ですね。
やっぱりカフェインが最も手軽で最強なようです。
しかし、カフェインの過剰摂取は禁物です。
カフェインと上手に付き合う3つのルール
まず1つに、カフェインの過剰摂取は、頭痛や短期記憶の低下、不安や焦燥感などの副作用を引き起こしてしまいます。
目安としては、一度に缶コーヒー2本以上飲まないようにしましょう。
2つ目としては、カフェインは人によって合う合わないがあります。上記のベースラインを声なくても副作用が現れてしまう人もいますし、いくら飲んでも大丈夫な人もいます。
こればかりは体質なのでどうしようもないのですが、体質的に合わない人は、ミルクやクリームなどの脂肪分と一緒に摂取する事で、カフェインが緩やかに吸収されてくれるので、マイルドに脳を覚醒させてくれます。
そして3つ目は、寝起きのカフェインはダメです。
朝起きて一杯のコーヒーは至福な時ですが、脳にはよくありません。
ではいつなら飲んで良いか?というと、起きてから90分後なら問題ありません。
というのも、僕ら体は朝起きるために、午前6時ごろから体を覚醒させるためにストレスホルモンであるコルチゾールを分泌させます。
このストレスホルモンと、起き抜けのカフェインの覚醒作用が脳への刺激を強化してしまい、心拍数の上昇、焦燥感、頭痛のリスクという副作用が出やすくなってしまいます。
このストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が減り始めるタイミングが起きてから90分と言われているので、分泌が減り始めた90分以降が最もベストなタイミングなのです。
携帯を遠ざける
このブログをどの端末で見ていただいているかわかりませんが、もしスマートフォンで見ているのであれば、この記事を読み終えたら目につかないところへ遠ざけましょう。
21世紀のテクノロジーをかき集めていると言っても過言ではないスーパーコンピューターであるスマートフォンは、僕らに多くの恩恵を与えてくれていますが、その裏では、僕らの集中力をごっそり奪っているのです。
ファントムバイブレーションシンドローム
「ファントムバイブレーションシンドローム」別名「幻想振動症候群」という言葉をご存知ですか?
言葉からなんとなく察せれるかもしれませんね。
そうです、「携帯が振動したかと思ったら気のせいだった…」というアレです。
インディアナ大学・パデュース大学フォートウェイン校の最近の調査によると、大学生の89%がこの「幻想振動症候群」に悩まされているようで、彼らは2週間に1度くらいのペースで携帯が振動したような気がしているそうです。
しかも、携帯の電源を切っていても振動がしたような錯覚に陥っているというから驚きです。誰かしらからの通知を待ち望むあまり、取り組んでる目の前の作業を中断してでも、錯覚が引き起こした通知をチェックしたそうです。
僕も昔は似たような経験があります。2週間に1度どころか毎日のように…。
まぁ、今となっては携帯の通知は全てオフにしているお陰で無縁になりました。
その代わり友人からのバッシングが止まらなくなりましたが…
視界に入るだけでも集中力を奪う
そんな集中力を奪う携帯の通知から逃れる方法はひとつです。
視界に入らないところへ携帯を追いやりましょう。
携帯は視界に入るだけで僕らの集中力を奪いパフォーマンスを低下させてしまうほどの力を持っています。
この方法の効果は調査でも明らかになっていて、
大学生を二つのグループにわけ、携帯を目に付く場所に置いて、体を使った難しいタスクをやってもらうよう指示し、もう片方は、同じようにタスクをやってもらうよう指示するが、携帯は見えないところに隠してします。
結果は予測通り、携帯が見えなかったグループよりも携帯が見えたグループの方がパフォーマンスが劣っていました。
また、別のデータでは、携帯が目に入らなければ、目の前のタスクに使うエネルギー量が10〜15%ほど増えたように感じるようです。
素晴らしい進化を遂げつつある携帯は、様々ことを高速化してくれますが、僕らのタスクには悪影響を及ぼす事があります。
だから、テクノロジーと上手に付き合うのが生産性の向上に一番効くのでしょう。
ルーティン
ルーティンといえばラグビー日本代表の五郎丸選手のアレですよね。
アレと同じように、僕らも目の前のタスクを実行する前のルーティンを作り、繰り返す事でタスクへの集中力が高まるのです。
ルーティン化するには2つの条件があります、
それは、
- このルーティンをしたら大事な作業に取り組むと決めておく。
- 決めたルーティンの手順をひたすら繰り返す。
ルーティンの作業はなんでも構いません。五郎丸選手のあのポーズにルーティン以外の意味がいないように、ぱっと見無意味にしか見えないような行動でも、繰り返す事で集中力のスイッチを入れていくれます。
ここ数十年でルーティンの研究は増え続けているようで、例えば、
ゴルファーがボールにキスをする仕草をしたら、パットの確率が38%も上がったり、
認知テストの前に指を10回鳴らしたら成績が21%上昇した研究などなど
ちなみに僕は、やるゾ。という時は、「メガネをかける、またはかけ直す」というルーティンを今続けています。
あまり周りから見て不審な行動は避けたいので…。
生産性の公式
知的労働には集中力が欠かせません。
そして、費やした時間に集中度を掛けたものが僕らの生産性でありクオリティです。
つまり、時間を費やせばいいものが生み出されるというわけではありません。
時間だけではなく、質の高い集中も求められます。だから、素早く集中できるという能力があるだけで有利になれます。
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