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価値観を見つけるパーソナルプロジェクト分析—あなたの目標の終着地点は?

人生において、価値観があると色々といいことがあるから、こんな方法で自分の価値観を考えることができますよ。という記事を何本か書いてきました。
どれも共通して言えるのは、あらかじめ用意されている質問に答えていく方法です。

今回も、価値観を考えるテクニックを紹介するのですが、今までと違って「自分の今行っている計画や目標」から自分の価値観を掘り下げる『パーソナルプロジェクト分析』と呼ばれるテクニックで、このテクニックは「人生の満足度を高める自己分析」に特化しています。

パーソナルプロジェクト分析

誰しも大なり小なり個人的な目標や計画、つまりパーソナルプロジェクトを持っていますよね。
それらを、14個の要素で評価して、自分にとって大切なプロジェクトを深掘りして、そこから自分にとって大切なことは何か?というアプローチで価値観を考えていくデザインになっています。

How to Personal Project Analysts  

では早速パーソナルプロジェクト分析をやっていきましょう。
ステップを説明すると、

  1. 自分の今行っているプロジェクト画を書き出す
  2. 14個の要因で評価する
  3. 各プロジェクトの評価を合計し、トップファイブを抜き出す
  4. 抜き出したプロジェクトを深掘りする
  5. 深掘りしてたどり着いた考えをもとに、価値観を考える

というステップになっています。

個人プロジェクトの書き出し

まずは個人的なプロジェクトを思いつく限り書き出しましょう。
プロジェクトと言うと身構えてしまいますが、目標や計画で具体的なものからふわっとしたもので構いません。

例えば、「資格試験に合格する」「現行の案件で大きな利益を出す」と言う具体的なプロジェクトや「仕事のできる自分になる」「健康的な生活を送る」と言うものでも大丈夫です。

人は大体10から15くらいの個人的なプロジェクトを持っているようです。
僕は、10個もありませんでしたが…。

思いつく限り書き出すことができたら、次のステップで評価していきます。

プロジェクトの因数分解

各プロジェクトを、下記の要素でそれぞれ1〜10点で評価していきます。
あまり深く考えずに、直感で点数をつけていくのがポイントです。

  • 重要性:そのプロジェクトが自分にとってどれだけ重要か
  • 簡単さ:そのプロジェクトに取り掛かる時の手軽さ
  • 透明性:友人や家族などの他人が、そのプロジェクトの内容が進捗具合を知ることができる。または、理解できるかどうか。
  • 管理性:そのプロジェクトに対して、どれだけ「自分でコントロールできているか」と言う感覚があるかどうか。
  • 責任:そのプロジェクトには社会的な責任があるかどうか。
  • 時間適正:そのプロジェクトをやるだけの十分な時間があるか。
  • 成功率:そのプロジェクトを達成、または満足できるレベルでこなせる確率は高いかどうか。
  • 自己同一性:そのプロジェクトが、自分のアイデンティティに沿っていると感じられるかどうか。または、自分の性格に適していると思えるかどうか。
  • 他者からの重要性:他人から見て、そのプロジェクトを重要だと感じてくれそうかどうか。
  • 進捗具合:今の時点で、そのプロジェクトをどれだけ達成できているか。
  • やりがい:そのプロジェクトにやりがいを感じられるかどうか。
  • 没頭度:そのプロジェクトに夢中になってのめりこめるかどうか。
  • 支持レベル:そのプロジェクトを達成するための周囲からのサポートを得られるかどうか。
  • 自律性:そのプロジェクトに対して、誰かから強制されているわけでもなく「自分の意思でやる」と感じられるかどうか。

例えば、「資格試験に合格する」と言うプロジェクトは会社から推奨されている資格か、それとも、自分が新たな業界へ進むための資格かによって、周囲からのサポートや、自律性などが変わってきます。

全ての点数をつけ終わったら、それぞれのプロジェクトの合計点を弾き出し、合計点が高いトップ5を決めましょう。

プロジェクトを深掘りする

トップ5が出揃ったら、それらを深掘りして根源的な目的にアプローチしていきます。
具体的には、次の2つの質問をプロジェクトにします。

  • このプロジェクトを含む、もっと長期的なプロジェクトは何か?または、もっとスケールが大きいプロジェクトは何か?
  • そもそも自分はなぜこのプロジェクトをやっているのか?

例えば、僕の場合一番大事なプロジェクトは「本をたくさん読む」と言うことでした。それらを深掘りしていくとこんな風になります。

こんなふうに深掘りをしていくと、このプロジェクトを実行している、根源的な理由にたどり着くことができます。

もし、途中で行き詰まってしまったら、最初に行ったプロジェクトを評価した時の要因を見て、点数が高いものをや低いものを参考にすると、広がりやすくなります。

例えば、責任や他者からの重要性の点数が高ければ、誰かの為や所属しているコミュニティの為にやっているかもしれません。

僕の「本をたくさん読む」と言うプロジェクトは、他人からの重要性も責任もありませんが、自律性はダントツで点数が高いです。だから、「僕はこのプロジェクトは誰のためでもなく自分のためのプロジェクトなんだ」と言うことに気づき、結果として「人生を豊かにする」と言う根源的な理由にたどり着きました。

プロジェクトから見えてくる価値観

こんなふうに、そのほかのプロジェクトも併せて深掘りして、それらがたどり着いた根源的な理由から、なんとなく大切だと思っていた事がどんどん明確になっていき、自分が人生において何を大切にしていることが見えてきます。

この方法を行うと、価値観になり得る自分の大切なことが見えてくるだけではなく、今自分が取り組んでるプロジェクトへのモチベーションが高まるメリットもあります。

僕らは「なぜ」これをやっているのか?と言う問いかけは、モチベーションを高める効果があります。そして「何」をやるのか?と言う問いかけは、具体的な行動を自分に示し、行動力を高めてくれます。

だから、このテクニックは自分が「何」をやっているのか?と言うプロジェクトから「なぜ」これをやっているのか?と言う理由を見出すことができるので、「なぜ」と「何」を明確にすることができます。

結果として、明確な目的と具体的な行動が示されるので、「人生の満足度を高める自己分析」となるのです。

参考書籍

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