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未来の時間の使い方の妄言—インターネットに時間を浪費する人類

テクノロジーと僕らの労働についての未来は、興味深い一つのテーマです。
テクノロジーの発展が目まぐるしく、20年も経てば僕らの仕事は機械にまた奪われる。と言われています。
更に、仕事が奪われる分、生まれる仕事もあり、デューク大学の研究者であるキャシー・デヴィットソンは「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今はまだ存在していない職業につくだろう」と語っています。
その頃の仕事は、少なくともテクノロジーを前提にした働き方になるのかもしれません。今だって、iPhoneという10年前に比べて何倍も進化したテクノロジーを使って動画を撮って投稿すればyoutuberという存在になれますよね。
次はどんな働き方が生まれるのかが楽しみではありますが、それらは衰退する仕事が前提なのではないかともいます。

テクノロジーによって仕事は衰退するか、新しいものに変わっていくのではないかと考えています。
AIにできる仕事を肩代わりしてもらって、人間はAIのできない仕事をやっていく。
それによって労働時間は減っていき、一日4時間労働という世界が来るかもしれない。
そうなった時、僕らの新たな課題は、生まれた時間をどう使うのか?ということになると思います。

消え始める労働時間

テクノロジー、つまりAIが仕事を奪うのかどうかという話についての僕の結論は、仕事自体は奪わないが、分業の中の業務は奪ってしまう。ということです。

AIができることは、今ある仕事の最初から最後もまでの流れの中で、一部の業務を肩代わりする。ということでしょう。
何故ならAIは月並みだからです。

月並みなAIと無難な結果

「ディープラーニング」という手法で、驚異的な処理速度と記憶で今までのデータを全て読み込む事で、前例のある問題に対しての答えを導く事ができるのですが、前例となるデータがないような事態には全く能力を発揮できません。
つまり、月並みということは、無難な答えです。そして、データがあればあるほどより最適な無難に近づいていきます。

前例ばかりのルーティンワークなどの業務はAIが肩代わりする事ができますが、今まで挑戦したことのないようなプロジェクトに対してはデータが乏しいので、無難な答えすら出せません。

だから、ルーティンワークをAIが担い、人にあったり、新たなプロジェクトをこ案したりするような、答えのない仕事が人間に残された仕事になるでしょう。
つまり、月並み以上の仕事を人間が担い、月並みな仕事はAIが担います。

結果、1日4時間労働という世界がやってくるかもしれませんが、1日4時間どころか、仕事に就けないで働きたくても働けない人はやはり出てくるのでしょう。

不要階級とベーシックインカム

月並み以上の仕事ができない人は、労働力として数えてもらえなくなります。
AIが一つの労働力と数えられるようになった時、人間の労働への費用対効果が悪い事が見えてきます。

不要階級

AIは電気とデータさえあれば、定期的なメンテナンスやアップデートを施せば、昼夜問わず24時間、文句も言わずに働き続けます。
それと比べると、作業をさせるだけなら人間は使いづらいのです。

労働環境、様々なハラスメントへの不平不満。日本では滅多にありませんが、ストライキまで起こします。
それに比べたら、ある程度のコストを払い続ければ黙って働き続け、しかも人間を圧倒する速度で仕事を片付けていくAIの方が魅力的で仕方がありません。

そうやって、分業の中の一部の作業を行っていた人たちは徐々に仕事がなくなっていくのでしょう。
なくなった仕事に見切りをつけて新たな仕事につける事ができれば救われますが、ルーティンワークしかできないような人たちは、経済を回す歯車の一部から弾き出され、不要になってしまいます。
そして、「不要階級」という階級が生まれてくるのでしょう。

今でも働きたくても働けない人はいます。そんな人たちの為に、国は手当てを出してくれます。
同じように、「不要階級」の人々を生かすための手当てである「ベーシックインカム」という制度が様々な国で行われるでしょう。

最低限の手当て

人がいなければ消費が生まれませんが、お金がなければ人がいても仕方がありません。だから、「不要階級」を生かし、そして消費させるための制度「ベーシック・インカム」が必要になってくるでしょう。

2020年に世界の経済に大打撃を与えた感染症「コロナウィルス」のお陰で家の外に出る事ができない状態が続き、経済は停滞しました。
そして、収入のない人が生きていけるように、10万円の給付金制度が発令しました。
決して多い額ではありませんが、収入がゼロになるよりかはましです。この給付金のおかげで生きていく事と消費が可能になります。

「ベーシックインカム」はこの給付金が制度がある限り「不要階級」に給付され続ける制度です。
おそらく、10万円の給付金と同じように、多い額ではないでしょう。国も湯水のようにお金を使えるわけではないですし、「ベーシックインカム」は人を生かし、消費さえるためのお金であって、遊ばせるためのお金ではないでしょう。

働く事ができなければ、多少の遊ぶお金を稼ぐ事ができるかもしれませんが、「不要階級」は会社からクビにされた失業者と違います。社会からクビにされてしまった本当に「不要」な階級なのです。
そして「不要階級」にできる仕事がないから、「ベーシックインカム」という生きる上での最低限のお金しか手元にないのです。

マリファナとテレビゲームとネットフリックス

しかし、人間は暇を潰さなければ生きていけない動物です。
今まで1日の3分の1を労働に当てていたのに、その時間がごっそり抜け落ちてしまったら、少ないお金で多くの時間を潰さなければなりません。

『サピエンス全史』を上梓したユヴァル・ノア・ハラリは『ホモ・デウス』のなかでこんなことを書いていました。

やがてテクノロジーが途方もない豊かたをもたらし、そうした無用の大衆が例え全く努力をしなくても、おそらく食べ物や支援を受けれるようになるだろう。だが、彼らには何をやらせて満足させておけばいいのか?人は何かする必要がある。する事がないと、頭がおかしくなる。彼らは一日中、何をすればいいのか?薬物とコンピューターゲームというのが一つの答えかもしれない。必要とされない人々は、3Dのバーチャルリアリティの世界で多くの時間を費やすようになるかもしれない。その世界は外の単調な現実世界よりもよほど刺激的で、そこで遥かに強い感情を持って物事に関われるだろう。

ホモ・デウス/ユヴァル・ノア・ハラリ P158,159(第9章 知能と意識の大いなる分離)

「不要階級」に残された娯楽は、ドラッグとゲームしか残されていない。そしてその世界が彼らを現実よりも感情的になれる世界を提供してくれる。という笑えない話です。

しかし、現実世界よりも安価に娯楽を提供してくれるものがあれば、誰もがそこで時間を消費することになる事は確かだろうと思います。
すでに僕らは、「インターネット」を使って、時間を潰しているのですから。

さらに、そこに月々多少のお金をかける事で、サービスを使い倒せる「サブスクリプション」というサービスと相まって、僕らは毎月数千円の利用料を払うだけで、聴き切れない音楽、読み切れない本、遊び切れないゲーム、見切れない映画やドラマで時間をつぶす事ができます。

だから、ユヴァル・ノア・ハラリの言葉に付け足すなら、「マリファナとテレビゲームとネットフリックスで彼らは時間を一生潰し続ける」のではないかと思います。

少ない労働時間と多くの余暇

薬物でハイになって、テレビゲームの世界で現実よりも魅力的な世界を冒険したり、長編のドラマを延々と消費し続ける。
そんな未来は「不要階級」以外にも言えることかもしれません。

「不要階級」として社会から首にならなかった人たちも労働時間は徐々に減っていくでしょう。
その時、生まれた余暇をレジャーやクリエティブに費やす人は多くはないでしょう。
テレビゲームで代用できるレジャーはリアルよりも手間もお金もかかりませんし、誰もが世界を変えるイノベーションや宇宙の真理、世界に残されている謎など未開の知に興味があるわけではないのです。

結局は、不要階級だろうがそうじゃなかろうが、多くの時間を今よりももっとインターネットに費やすのでしょう。

もしそんな未来が来た時、未来であなたは余暇を何に費やしますか?

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