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脳を育てるのは運動だけ

脳を最高の状態に保つには、体を精一杯働かせなければならない。

脳を鍛えるには運動しかない/ジョン・J・レイティー P10(序文 結びつける)

まずは悲しいお知らせです。
もし、あなたが20代後半であれば、あなたの脳の老化はもうすでに始まっています。

人類100年時代と言われる時代に突入して、世界の文化は仕事をリタイアしたあとの余生もよりよく生きることがテーマになるような世界になり始めました。
しかし、先ほど述べたように、僕らの脳はそんなことは露知らずに成長をやめ、下り坂の老化をし始めます。

しかし、運動をすることによって、脳の老化に争うことができます。
そして、あなたの脳の状態を最高の状態にしてくれます。さらに、脳の状態が好調になると、あなたの体調も芋づる式に最高の状態になってくれます。

運動の恩恵

なぜ運動が脳の老化に効果があるかというと、運動することで、脳に適度なストレスを与えることができるからです。
ストレスと聞くと、あまり良い印象はしませんが、脳にとっては、期限に追われる仕事の焦燥感も、ジョギングで息を切らしたり、筋トレで体をパンプアップさせることも同じストレスなのです。

しかし、脳にとって同じストレスだとしても、あなたの体で起きていることは違います。
前者はただただストレスホルモンを放出し不安あ焦燥感を煽ったり、ストレスホルモンが体を、特に脳の器官にダメージを与え続けているだけですが、
後者の運動は、ストレスホルモンだけではなく、脳細胞や体を成長させる物質やホルモンも同時に放出しするのです。
さらに、脳から発信される信号をやり取りする回路も正常化され、体の不調をも良好に改善してくれるのです。

脳の成長因子たち

脳の成長を促す物質は「脳由来神経栄養因子(BDNF)」と呼ばれ、読んで字の如し、脳の栄養となる因子なのです。
このBDNFが脳細胞の成長や機能向上を促し、さらには脳細胞の死からも守ってくれるのです。

このBDNFは運動と相関関係があり、運動後にはこのBDNFの量が増えているのです。
そして、このBDNFと3つのホルモンが互いに助け合うことで僕らの脳を成長させてくれるのです。

どういう仕組みかというと、まず、「IGF-1」というホルモンがエネルギーとなるブドウ糖を必要な体の器官に送り込まれるように体内のインスリンを調整します。
次に、「VEGF」というホルモンが筋肉の収縮によって分泌され、体や脳に運ばれ、新たな毛細血管を作り、細胞に酸素を送り込めるようにします。
そして、「FGF-2」というホルモンが運動時に分泌され、神経細胞を増強します。
また、BDNFはIGF-1を吸収して、神経伝達物質を作り、神経細胞同士の結びつきを強化します。
つまり、運動することによって、脳と体を細胞レベルで発達させることができ、その発達が、僕らの脳機能を向上させてくれるのです。

運動と心

さらに、運動は、不安や鬱などの改善にも効果が期待できるようです。

例えば、不安を感じた時に僕らの体は、生存本能から注意力のスイッチが入ります。
そうすると、強化された注意力は自分自身の体の状態、緊張による体の強張り、震え、冷や汗などを敏感にキャッチします。
その結果、さらに不安を感じ取ってしまい、その不安は体の緊張などに反映され、その体の反応を再び感じ取ってしまう。という負のループが起きているのです。

そんな負のループを断ち切るのが運動です。
運動することによって、体の筋肉の緊張が緩むので、体の強張りなどが解消されます。
そして、運動によってGABAという敏感になった脳を沈めてくれる物質が分泌されます。
結果、運動によって脳と体それぞれに不安を抑える効果が反映されるのです。

また、鬱の場合は、運動によって、抗うつ成分を高めるホルモンが分泌されます。
そして、運動はドーパミンを放出して、幸福感を高めたり、注意力を活性化させて、やる気や集中力を促します。
さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールを和らげ、気分屋衝動を調整してくれます。
これらの効果を期待して運動を習慣化することで、鬱の症状を和らげいていくかことができるのです。

効果的な運動とは

では、そんな脳と体の調子を良好にするのに適切な、効果的な運動とはなんでしょう?

例えば、脳のキレをよくする運動であれば、30分のジョギングを週に2、3回、それを12週間続けると脳機能が向上することが、研究で明らかになっています。
もっと効果を高めたいのであれば、複雑な動きを有酸素運動に取り込むことで、脳機能の向上の効果を高めます。
ラットレベルのでの研究ですが、ただ走らせたラットよりも、平均台や不安定な障害物、ゴム製の梯子を歩くといった複雑な運動を組み込んだラットの方が脳内の BDNFの量が35%高かったようです。
つまり、運動と脳を同時に酷使することで効果を高められるようです。
これをそのまま人間にフィードバックさせるとなると、家の庭にSASUKEのセットをDIYすることになってしまいますので、身近なスポーツに挑戦するのが一番手っ取り早いでしょう。

そこで私がお勧めするのは、新血管系と脳を同時の酷使するスポーツ(た問えばテニスなど)をするか、あるいは、10分ほど有酸素運動でウォーミングアップしたのちにロッククライミングやバランスの訓練といった酸素消費量が少なく技能を必要とする運動をするというやり方だ。

脳を鍛えるには運動しかない/ジョン・J・レイティー P70(第2章 学習-脳細胞を育てよう)
閑話休題-効果的な運動よりも

とはいえ、いきなり新たなスポーツを始めるのはそれなりのやる気が必要だと思います。
様々な研究で、効率的で効果的な運動方法が色々と発見されていますが、僕としては、そんな事をいきなり始めるよりも、まずは日常の運動量を増やすことから始めるのが一番いいと思います。
そして、それを続けること。

結局、いくらベストな運動をしたところで、続けていなければ運動の恩恵はえられないのです。
だから、いきなり30分のジョギングを始めるよりも、いつもより長く歩いたり、階段を利用したり。と、自分が続けられるレベルでの運動を少しづつ少しづつ増やしていって、モチベーションがいい感じに上がってきた時に、新たな運動を初めて見るのが挫折せずに運動の恩恵を得れる方法なんじゃないかな。と思います。

運動を始めることは重要です。いつもの運動量を増やせば少なからず恩恵は得られるでしょう。
そして、その少ない恩恵を享受する運動を習慣化することでいつかは大きな恩恵に変えることができると僕は思います。

曲線を描き直す

冒頭で伝えた通り、僕らの脳は20代をピークにして成長は止まり、あとは老いるだけとなってしまします。

例えば、運動機能が衰えるのも脳の老化が関係しています。
20代後半になると放出されるホルモンに反応する物質が徐々に徐々に減っていきます。その結果、脳の信号をやり取りする回路が衰えて、運動機能に不具合が出てきたりします。
他にも、記憶力。特に、エピソード記憶と呼ばれる「何が、いつ、どこで」起きたかを記憶する能力が衰えたり、
ワーキングメモリと呼ばれる、脳が一度に処理できる容量も衰えてきます。

残念ながらこればかりは遺伝子に組み込まれているシステムなので老いることは受け入れなければなりません。

しかし、その老化の曲線を急カーブから緩やかな曲線にすることができます。
それが運動なのです。

おそらく、老化の曲線を描き直すことに興味のない人は多いでしょう。
わかっているけど不健康な食事ばかりする人、断固として喫煙をやめない人、運動不足が原因で数年前のジーンズのボタンが閉められない人などが一定数いるのはそういうことだと思います。

しかし、今現在はいいかもしれませんが、人生の後半につけが回ってきてしまいます。
医療は日進月歩で発展しています。お陰で僕らは病気や怪我を患ってもほとんどの場合で回復することができます。
極端にいってしまえば、「死に難い時代」なのです。

死に難いとは、回復はしないが、生きることができるという意味でもあります。
つまり、大きな病を患っても生きていく事はできます。
そして、世間はその苦しみから逃れるように命を投げ出すよりも、延命させる事を善として捉え、苦しみを抱えさせられたまま生きながらえさせてきます。

もし、あなたが老化の曲線を描き直す事に興味がなければ、一生健康でいられることを祈るか、医療の大きな進歩を祈ることしかできません。
しかし、曲線を描き直すためにペンを取れば、病に伏す100年時代ではなく、人生100年を謳歌する人生に書き換える事ができるのです。

運動は解毒剤であると同時に予防薬でもある。
誰でも老化する。なぜかと問われても、どうしようもないが、どのように、いつ老化するかについては、間違いなく打つ手がある。

脳を鍛えるには運動しかない/ジョン・J・レイティー P280 (第9章 加齢-賢く老いる)

参考書籍

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