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成功者がやっている「与える」事

もう、この一冊があれば他の自己啓発書はいらないんじゃないか…?

そんなことをひしひしと感じさせられた一冊。
「Give&Take-与える人こそ成功する時代」
副題の通り、「与える人が成功するんですよ!」って話しです。
したたかに人からたくさん貰う人が最も成功してるんじゃないの?って思っていたのですが、世の中で本当に成功している人は違ったんですねー。

3つのタイプ 

さて、人には3つのタイプがいます。

  • 与える人(Giver):受け取る以上に与える。ギブ&テイクも相手の利益になるようにする。
  • 受け取る人(Taker):常に、与えるより多くを受け取ろうとする。
  • バランスをとる人(Matcher):与える事と受け取る事のバランスをとる。

あなたはどのタイプでしょうか?
因みに、日本人の8割は「与える人」だそうです。

最も優秀だったのはどのタイプ? 

本書の中で、3つのタイプのうち、どのタイプが最も優秀なのかを、エンジニア、医学生、販売員の成績や生産性のスコアを調べました。
さて、最も優秀なのはどのタイプだったのでしょうか?

まず、最もスコアが低かったタイプは「与える人」でした。
彼らは、他人の為に自分の時間を割いたり、仕事を手伝ったりして、自分自身の仕事や学業が手につかなかったのです。
そして、「与える人」よりもスコアが高かったタイプが「受け取る人」でした。
彼らは、「与える人」を踏み台にして自分の利益を高めていました。
では、最も優秀だったタイプはどれでしょか?ちなみに、「バランスをとる人」ではありません。
最も優秀だったタイプも「与える人」だったのです。
最も優秀だった「与える人」とそうでない「与える人」は何が違うのでしょうか?

「お人よしバカ」か「最高の成功者」 

「与える人」が「お人よしバカ」になるか「最高の成功者」になるかは、
「自己犠牲」か「他者志向性」のどちらを持っているかで決まります。

「自己犠牲」の考えを持っていると、周りに潜んでいる「受け取る人」に使いつぶされて、疲弊して、燃え尽きてしまいます。
だから、「自己犠牲」ではなく「他者志向性」の考えにシフトしなければなりません。
「他者志向性」の考えは、利己心を持ちながら、他人を思いやる気持ちで人と接する事。
利己心だけでは「受け取る人」となり、他人を思いやる気持ちだけでは「成功できない与える人」にしかなりません。

「利己心」を持つ人と「自己犠牲」をする人達だけでは、どちらかが勝ち、どちらかが負ける「ゼロサムゲーム」になりお互いをつぶしあいますが、「他社志向性」の考えは、常にかかわった人たちが何かしらの利益が生じる「Win-Win」になります。

「Win-Win」の関係を築く「与える人」を中心に敗者のいないゲームが行われるので、誰もが利益を得続ける。その中で「与える人」はそこから生じた新たな価値を、更なる大きな価値を生み出す。そうやって、自分自身を中心とした円をどんどん大きくしていくことで「最高の成功者」となるのです。

では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
本書の中で、誰でもできるもっとも簡単なテクニックがありました。
それを使えば他人に使いつぶされずに、「与える人」になれます。
「与える人」なるはじめの一歩。それが「5分間の親切」です。

 閑話休題―燃え尽きる、奪う、足元をすくう

「与える人」は人のために時間を使い、自分の学んだ知識を与えます。
そこでしたたかな「受け取る人」が「与える人」から時間も知識も成果も奪っていきます。
成果までも奪われてしまった「与える人」は成果どころか達成感さえも奪われて燃え尽きてしまいます。
そして「受け取る人」…いえ。最早「奪う人」はある程度地位まで上り詰めます。
しかし、なぜ「受け取る人」はトップに成れないのでしょう?

当然、人を踏み台にするように上に登る人を許す人はいません。
「受け取る人」はすぐ伸びるのですが、すぐに頭打ちになります。
なぜなら「受け取る人」らは「バランスを取る人」に足元をすくわれるのです。
「バランスを取る人」は物事を公平に考えるので、「受け取る人」に出会うと、奪われた分をしっかり奪い返します。

結局、奪われ燃え尽き、足元をすくわれている人を横目に、誰よりも人に与え、なおかつ自分の利益も見失わないでいる「与える人」が最もトップになるのです。

 5分間あれば、何をしてあげられますか?

「Give&Take」にはたくさんの成功者たちが登場します。その、成功者たちの中の一人がやっていたこと、それが「5分間の親切」です

彼はあるシンプルなルールに基づいて、人の役に立とうとする。それが「5分間の親切」だ。

「五分もあればできる親切を”誰にでも”喜んでしてあげるべきなんです。」

Give&Take-与える人こそが成功する時代/アダム・グラント P104

彼は、多くの人に「5分間の親切」を行いまいした。
相手の話をよく聞き、助けは必要か?自分にできる事はあるか?何が必要か?等を訪ね、自分が持てるリソースを惜しみなく与えました。
それが、彼のネットワークを大きくし、彼の価値となり、自分を中心とした円を大きくしました。
そして彼を「最高の成功者」になったのです。

他人の人生”ちょっと良いこと”を起こしてみる

5分間あれば、あなたは何をしてあげれるでしょうか?
大きな事を与えようと考えなくても、ほんの少しの時間だけ、何か困っている仲間の話を聞いたり、その中で自分が出来る事があれば少し手伝ったり。

例を挙げることはできますが、僕が挙げる例はあなたには当てはまらないかもしれません。だから、自分自身が持ちうる能力、資質でできる事を想像し、どのくらいのことなら「5分間の親切」ができるのか考えてみても良いかもしれません。

君たちは、ギバー(与える人)は成功できないと思っているかもしれない。確かに、何の見返りも期待せず、ひたすら他人を助けている人たちの中には、成功の階段の一番下に転げ落ちる人もたくさんいる。しかし同じギバー(与える人)であっても、ほんのちょっと工夫をすれば、階段の一番上に登る事ができるんだ。

他人の人生に”ちょっといい事”を起こすことに、注意とエネルギーを集中してみてほしい。そうすれば、成功は自ずとついてくる。僕にとって苦しい戦いになるだろうが、君たちが間違っていることを証明してみせようなないか。

Give&Take-与える人こそが成功する時代/アダム・グラント P380

 参考文献


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