酒は飲まない。タバコも吸わない。無駄に飲み会に参加しないで、定時きっかりに帰る。
何かするたびに「今どきの若者だなぁ」と言われながらも今日も生きています。
若くてごめんね!
まぁ、言われるくらいなら無害なので気にしませんが、時にはめんどうな「おっさん」も少なくないですよね。
そんな「おっさん」たちに僕らの未来への可能性を潰されない生き方を考えましょうよ。って話です。
オピニオンとエグジットを行使する
僕らが「おっさん社会」で生き延びていくためには「オピニオン」と「エグジット」を意識しなければなりません。
オピニオン:おかしいと思う事についておかしいと意見する事。
イグジット:権力者の影響下から脱出する事。
つまり、「オピニオン」と「エグジット」を意識すると言う事は、権力者(上司や先輩など)から納得のできない仕事を押し付けられたときには、おかしいことはおかしいと言い、必要があれば、そこから離脱することを意識する。という事ですね。
しかし、そんな事はなかなかできない人が大半でしょう。
上司や先輩に向かってそんなことは言えないし、そこから脱しても生きていけるかどうかわからない…。そんな感じじゃないでしょうか?
因みに僕は、オピニオンは出来ても、エグジットは出来ないです。
しかし、上司や先輩に言われるがまま働いて使いつぶされ、そこから抜け出すことが出来ずに、自分の価値を見出せずにふさぎ込んでしまう。
最後の最後には逃げ道を求め、自らレールの上へ身を投げ出す…。そんなシナリオが存在する世界です。
最悪なシナリオを描かない為にも、僕らは「オピニオン」と「エグジット」を身につけなければ、未来の可能性がつぶされるかもしれません。
では、「オピニオン」と「エグジット」を使えるようになるにはどうすればいいのでしょうか?
それは、あなたの「モビリティ」を高めることです。
「人的資本」+「社会資本」=「モビリティ」
モビリティは今後、柔軟でしたたかなキャリアを進んでいくための最重要キーワードです。
モビリティ:汎用性の高いスキルや知識(人的資本)と信用や評判(社会資本)
つまり、モビリティを高めるとは、自己研鑽に励み、与えられた責務を全うして周囲からの信用を得る。という話です。
当たり前すぎてシラけるかもしれませんが、結局そういうことなんでしょうね。
周囲からの信頼が厚く、それを裏付ける能力を持ち合わせていれば「オピニオン」も「エグジット」も容易に行使できます。
この「モビリティ」は「自信」とも言い換えることができると思います。
「自信」があれば、それが正しくないおかしいことにはおかしいと言うことができます。そして、必要があればそこから抜け出す事への不安も薄れます。
労働市場で高く評価されるスキルや知識、互角力などはお金を生み出す元手になる「人的資本」と言うことになりますし、仕事を紹介してくれたり手伝ってくれたりする心強い人脈や評判・信用もまた、お金を生み出す元手になる「社会的資本」と考えられます。
劣化するおっさん社会の処方箋/山口周 P66
閑話休題-「おっさん」とは
さっきから、おっさんおっさん。と連呼していますが、そもそも「おっさん」とは何なのか?年齢的な意味ではありませんよ。
「おっさん」という用語は、単に年弾と死別という人口動態的な要素で規定される人々の一群ではなく、ある種の行動様式・思考様式をもった「特定の人物像として定義される、と言う事です。しかして、その「特定の人物像」とは次のようなものです。
1.古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する
2.過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
3.階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る。
4.よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
劣化するおっさん社会の処方箋/山口周 P10
成長する熱意を失った時、僕らは「おっさん」になってしまうのです。
どんなに若くても「おっさん」になることもあれば、どんなに老いていてもギラギラした情熱を抱いていれば「おっさん」なることもありません。
青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
たくましい意思、豊かな想像力、燃える情熱を指さす。
青春とは人生の深い泉の清新さを言う。
青春とは、心の若さである。/サムエル・ウルマン P22
モビリティを高める
モビリティを高めるためにこそ、汎用性の高い知識とスキル、あるいは社外の人脈や信用を自分の資産として積み上げる必要があるのです。
人的資本にせよ社会資本にせよ、それを構築するために一番有効なのは「良い仕事体験」を得ることです。良い仕事体験を通じて、スキルや知識は構築され、また評判や信用も蓄積される。つまり、社外でも通用する人的資本と社会資本を形成するためには会社外の人といろんな仕事をすると言うのが一番いい
劣化するおっさん社会の処方箋/山口周 P68
つまり、今自分がいる職場で「良い仕事体験」ができる仕事に挑戦し、やり遂げることで経験によりスキルや知識が高められ、その仕事の中で人との繋がりが生まれる。
そして、結果的にはその仕事をやり遂げたことによる周囲の信用や評判が得られる事で、僕らのモビリティは高められていくのです。
僕らは今いる場所で出来る事に挑戦するだけいいのです。
異業種交流会の様な名刺交換だけして何も生まれない様な場所で時間を浪費する必要などないのです。
「良い仕事体験」に挑戦するために、自分の環境を改めて見直すことが必要だと思います。
会社内でどんな仕事があるのか?自分が参加できる仕事はあるのか?
今現在、社外で何らかのコミュニティに属しているのであれば、そこでも同じ様、どんなことができるのか?などを自分に問うて「良い仕事体験」を見つけて挑戦して見ましょう。そうすれば、新たな能力と交流を獲得してモビリティが高まり、そのモビリティに価値を見出してくれる人からチャンスを与えられることだってあるかもしれません。
昔々、インドで番兵たちに追われていた泥棒が、暗い路地で寝ている物乞いに気づいた。そして、盗んだばかりの、小さいけれどとても高価な宝石を、その物乞いのポケットにこっそり入れてから逃げ去った。番兵たちを巻いてから、戻ってきて取り戻すつもりだった。ところが、番兵たちに追いつかれて争ううちに、図らずも殺されてしまった。今や物乞いは大金持ちだった。ポケットには死ぬまで何不自由なく暮らしていかれるだけの富が入っていたから。それなのに、一度として自分のポケットの中を改めなかったので、とうとうそれに気づかななかった。そして、物乞いのまま一生を終えた。
Serach inside yourself/チャディー・メン・タン P332
何も入っていないと思っているポケットの中に、いつの間にか、あなたの人生を変える様な宝石が眠っているかもしれません。
もう一度、あなたのポケットを覗いて見てはいかがでしょうか。
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