正月休みも終わって、いつも通りの毎日が始まっても積読を崩し、ページをめくる日々です。
今週は「ホモ・デウス」に手を付けられたので、だいぶ満足です。
眼球堂の殺人
人と神の物語の始まり。
タイトルから、「あー、クローズドサークルねー」って思って読んでいたら、予想を超えたクローズドサークルだった一冊。
古典的なクローズドサークルを踏襲しながらも、あの手この手でミステリとしての奥行を作り出していて、久々に面白いミステリを読んだ気分になった。
とりあえず、続きを買おう。
「そう。この本はまさに『本そのも』だからだ。そして、この本の書き手は…」十和田は、藍子の反応を確かめる様に、一瞥と一拍置くと、一言、ぽろりとこぼすように言った。「…至高の独裁者。神だ」
眼球堂の殺人 The Book /周木律 P12
そして二人だけになった
私と彼、僕と彼女の物語。
森博嗣は引退したらしいとずっと言われている。なのに、いまだに本が出るし、これからもまだ出るらしい。ありがたや。
封鎖された研究施設で次々と殺人が起こり、二人だけになる。
「そうなったらどちらかが彼らを殺したんじゃないか」となってしまうが、そうはならないところが森博嗣。
この物語には殺人事件も誰が犯人かも大事なことではないのか。と…
マイ・フェア・レディ。また、二人だけになったね。
ずっと一緒だよ。どちらかが死ぬまでは……。
そして二人だけになった/森博嗣 P556
メモの魔術
メモを取り、思考を広げ、発想をする。そして、またメモを取る。
以前、NewsPicksで彼のメモ術を見たことがあったので、興味本位で購入。 たくさんのメモを取ってきただけあって、表現がとても分かりやすい。日々のメモの賜物なんだなぁと。
内容は、それと同じだったが、、前田裕二の「メモの姿勢」に驚かされた。自分を知る為にノートを次々と使いつぶしてきたエピソードを読んで「本物だなぁ」と。
改めて、前田裕二のメモメソッドを取り入れようかなぁ。
それは、この「魔法の杖なんてない」と言われる世知辛い社会に置いて、メモこそが自分の人生を大きく変革した「魔法の杖」であると直感しているからです。そして、今後も、その魔力で僕の人生を良い方向に導いてくれるであろう、という確信があるからです。
メモの魔力/前田裕二 P6
ホモ・デウス
哲人ユヴァル・ノア・ハラリが我らホモ・サピエンスの未来を憂う。
ホモ・サピエンスでは過去の世界の真実を語り、我々は「類稀なる人類」ではないと語り、今作では、今の現代社会からこれからの人類の行く末を、哀愁と皮肉で語る。
前作の衝撃は今作でも変わらない。相変わらずの知識量にページをめくる手が止まらない。時にはジョークを交えながら語るので、どんどん読める。
所詮、人間はアルゴリズムでしかない。と突き付けられて笑ってしまった。
サピエンスのアップグレードは、ハリウッド映画に描かれるような突然の大惨事ではなく、徐々に進む歴史的過程となるだろう。
(中略)
これは1日にして起こりはしない。一年でも起こらない。実は、無数の平凡な行動を通して、それはすでにたった今も起こりつつある。毎日、膨大な数の人が、スマートフォンに自分の人生を前よりも少しだけ多く制御することを許したり、新しくてより有効な抗うつ剤を試したりしている。人間は健康と幸福と力を要求しながら、自らの機能をまず一つ、次にもう一つ、さらにもう一つという具合に徐々に変えていき、ついにはもう人間ではなくなってしまうだろう。
ホモ・デウス(上)/ユヴァル・ノア・ハラリ P66
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