1週間に4,5冊くらい読めているので、単純計算すれば一年に200冊以上確実に読める。
けれども難しい本を手に取れば、文字を追う目は蝸牛宜しく思うように進まず項をめくる手が休みます。
予定は未定、計画はいつだって倒れかねない。物事はそう簡単には進まないと言う事でしょうかね。
そんなわけで、今週は、お金、日本の経済事情に関する本から知識を仕入れ、趣味のミステリと、共感力を高めるために文学作品を読みました。
MONEY
富ではなくお金の本。
インフレって何?デフレって何?そもそもお金ってなにさ!?
って方がいればこの本がお勧めです。
僕は経済関係の知識が薄いので、知らない言葉に躓いて読むのがだいぶ大変でしたが、インフレやデフレのお金の仕組みや、アベノミクスなど経済戦略についての分かりやすく説明してくれるのでなんとか読み切れた感じですね。
経済関係の軽い本を何冊か読んでいるから、難なく読めるだろうと思ったけれど、思い上がりだったことを痛感させられました。
もう少し、経済に関する言葉や出来事について理解してからもう一度読んだら、さらに深い理解が出来そうなので、いつか再読したい一冊でした。
本書で議論するに、お金とは一般に、即座に買い物に使える資産をさす。現金はお金だ、当座預金口座など、小切手を振り回せる口座の預金もお金だ。いま買い物に使えるのだから。
MONEY / チャールズ・ウィーラン はじめに
日の名残り
過去を想いながら旅路を進む執事の物語。
主人公である執事スティーブンが、休みをもらい旅路に立つ。そのたびの中で、何度も何度も過去に思いふける。そんな、過去に捕らわれた主人公の行く先は、何度となく語られる女中頭ケントンの元へ。
読み進めるうちに、自分の中で主人公スティーブの心が出来上がってくるような感覚があって、スティーブンの心が突き動かされた瞬間、僕の心もわずかにつかまれるような感覚があった。
何度も語られる過去は、たった数時間のケントンとの会話の為の仕掛けだったのか。と…。
以前読んだ「わたしを離さないで」でだいぶ興味をひかれたので、もう一冊読んでみたけれど、こういう作品もいいなぁと思わされました。
もう少し作品を買って読んでみようかなー。
夕方がいちばんいい。わしはそう思う。みんなにも尋ねてごらんよ。夕方が一日で一番いい時間だって言うよ。
日の名残り/カズオ・イシグロ P350
聖女の毒杯-その可能性はすでに考えた
「奇蹟」を証明する探偵の物語。第二弾
ミステリと言えば、不可思議な現象を読み解き真実に迫る探偵役が登場しますが、このシリーズはその真逆。
あれやこれやと全ての可能性を考え矛盾を見つけ出し、この世に「奇蹟」が存在することを立証するというミステリ作品。
一作目と同じような展開だったら、もういいなーと思っていたのですが、違った切り口から展開されたので、いい意味で裏切られたので満足です。
登場するキャラクターの癖が強いのでライトノベルでやったらいいんじゃないかと思ってしまうのだが、まぁ、そんなことはどうでもいいことか。
シリーズ一作目を読んだときに、作者の豊富な知識に惹かれて第二段にも手を出しました。
たぶん、僕は物知りが好きなんだろうなぁ…。
どんなものでも量次第で毒にも薬にもなるという。なら私は薬を薬として飲もう。私は小瓶を指先で回し、その裏に書かれた用法を初めて丁寧に読んだ。
聖女の毒杯-その可能性はすでに考えた /井上真偽 P399
日本が売られる
誰も教えてくれない日本の事情。
日本が売られる!
え?誰が買うのかって?それは、世界中の投資家たちですよ。
読みながら何度”自己防衛おじさん”がよぎったことか…。
読めば読むほど衝撃的な話が満載な一冊。いやーショックですね…。
知らないよりはい知っておいた方がいい事。それが自分の住む国ならなおさらですね。
この先の日本はどうなるのだろうか?と心配になるのですが、内心は他人事で読んでいる自分に気づきました。
「きっと誰かが何とかしてくれるだろう…」なんて。
「遠くのわかりやすい敵に気を取られ、近くにいる一番危険な敵を見落とせば、気づいた時には全方位囲まれて、あっという間にやられてしまう」
いま私たちは、トランプや金正恩などの分かりやすい敵に目を奪われて、すぐ近くで息をひそめながら、大切なものを奪ってゆく別ものの存在を、見落としているのではないか。
日本が売られる/ 堤 未果 P7 まえがき
この記事へのコメントはありません。