好奇心の枝は日に日に広がる毎日です。興味があればすぐに本屋でそのテーマを探してしまいます。
新しい世界に簡単に踏み込める事が本の良いところなんじゃないかなぁ。
束の間のディストピアの物語
ミステリと美学のシリーズ物です。
美学という世界を軸に物語が進むこのシリーズは独特の世界観があって気に入って読んでます
主人公の白いドッペルゲンガー、白を基調にしたゴシック調の都市開発計画、黄金虫、反美学者、グロテスク、竹取物語…
どれもこれも好奇心をそそるような言葉たちが絡み合うディストピアに誘う物語にページをめくる手が止まらなかった。
こういう世界観を持った作品を好きな人は結構いるとお思うんだよなー。
束の間のディストピアが、夜明けの月のように消えていく。
けれど、夜はまだ始まったばかり。
アーサー・ゴードン・ピムは白の狂気に呑み込まれ、かぐや姫は白い月へと帰っていた。でも、自分はグロテスクとアラベスクの地平に留まっている。
黒猫のいない夜のディストピア/森晶麿 P312
明日の幸せを科学する
所詮は人間の脳が作り出す世界
結局幸せってなんなのさ!!と、悩んでいる方がいればこちらの本がお勧めでしょう。
結局、脳が作り出す主観的世界でしかないのだよ!だから、その脳のクセや欠点を掘り下げようぜ!!って本です。
「幸せは僕らの中にある」的なボロボロに使い倒されたビンテージ物のセリフはあながち間違っていなかったんですね。
ぼんやりと幸せを望む日々だったけど、結局僕が幸せと感じればなんだっていいのかなぁ。だったら、幸せをぼんやりと望まずに、僕自身のために日々を選択するだけだなぁ。と。
ただ、幸せという主張が、全て誰かの視点からの主張ーー現在の経験を評価する道筋やレンズや背景となる独自の過去の経験をもつ、一人の人間の観点ーーからの主張だということは言える。
科学者がいくら望んでも、どこの誰のものともわからない無色透明の視点などというものは存在しない。いったん何かを経験してしまったら、二度とそれ以前の見方で世界を見ることはできない。我々の無垢は失われ、もう二度と帰れなくなる。
明日の幸せを科学する/ダニエル・ギルバート P96
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
四騎士が握る世界を見据える
Google、Apple、Facebook、amazonの頭文字を並べて「GAFA」
そんな「GAFA」という名の四騎士がせめぎ合う世界の今とこれから先について書かれた一冊。
興味のない各社の歴史をダラダラと振り返ったりしないので、厚みの割にサクッと読めた。
個人的に、各社の話よりも、五番目の騎士は一体誰が一番近いのか?四騎士がせめぎ合う世界で個人として持つべき武器はなんなのか?あたりが勉強になった。
この先の世界で生きる僕らは、読んでおいて損はないんじゃないかと。
四騎士と戦ったり四騎士に”悪”というレッテルを貼ったりするのはむなしいかもしれない。あるいは本当に間違っているかもしれない。私にはわからない。
しかしこれらの四騎士を理解することは絶対に必要だ。それは今のデジタル時代の先行きを予測し、あなたとあなたの家族のための経済的安定を気づくための、より大きな力となる。この本はその両方の助けになることを願っている。
図解 ワイン一年生
右も左も分からない僕ら一年生の為の一冊
最近フレンチにハマっています。料理酒は常にワインなので、ワインについてもっと理解を深めれば、もっと美味しいフレンチが作れるのでは!?と思い手に取りました。
この本は生粋のアニメオタクからワインソムリエになり、今は小さなワイン酒場のオーナーソムリエを務める筆者が、”ワイン”という西洋絵画のように複雑で捉えどころのない存在を、まるで8ビットのドット絵のように、オタク目線で大雑把に単純化して説明した「ワインのことがなんとなくわかった気になる」ワイン入門書です。
ワイン一年生/小久保尊 P3
砕けた感じで読みやすく、図解ということで、ワインが擬人化されていたり漫画が入っていたりで、全くよくわからない人でも難なく読めるので、ワインを知りたい人がいれば強く勧められる一冊でした。
僕はワインが苦手です。そもそも、お酒の味がわからないのでお酒自体ろくに飲みません。ジンジャエールとトニックウォーターが大好きです。
そんなワインの良し悪しがわからない僕ですが、この本を読んでから、興味をそそられた白ワインを一つ購入して飲んでみたら、「あー、なるほど。こういう感じなのか」と、今までのワインの「よくわからない」という印象が消えて行きました。
やっぱり、知識があると理解が深まるんですねぇ。
ぜひ一度、ワインの世界に踏み入れてください。
その小さな一歩が、人生をより複雑でややこしく、そしてちょっとだけ素敵ないものにしてくれるはずです。
ワイン一年生/小久保尊 P8
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