未だに桜の咲かない街にも春が近づいてきたようで、背中を照らす光が心地良いなぁ。と思う日々が増えてきました。
もう少しで空の下でページをめくれそうです。
なにものにもこだわらない
「何ものにも拘らない」その先へ
いつも世の中の潮流の真逆を生きている(本人はそのつもりはないみたいだけれども)森博嗣先生の「拘らない」をテーマにした一冊。
そもそも「拘る」ということは良い意味ではないよ。って話を、森博嗣先生の価値観や思考を通して展開されていく。
「なるほど、拘りすぎることもよくないな」と考えながら読んでいたら、
「拘らない」事に拘ってしまわないようにしないとダメだよ。と解きほぐされた。
つまり、何かに拘っている自分に気づき、臨機応変に物事に向かう姿勢が僕らには必要らしい。
念の為に注意を喚起しておこう。「拘らない」からといって、なんでもOK、みんな好きにやってください、とばかり、ごろんと寝転がっているだけでは、「拘らない」に拘っているだけで、何も生まれない。
なにものにもこだわらない/森博嗣 P232
俺か、俺以外か。ローランドという生き方
ローランドの美学
本書は名言集の解説本となっていて、メディアやなんかで出た言葉を集めてローランド本人が補足解説している。
僕はテレビをもう見ていないので、ローランドの名言どころか、ローランドが何者かも知らなかったんですが、この本でローランドの生き様というか美学に見事やられました。
プロローグを読んで、「へぇ、ホストだったんだ」と知り、少し見くびった姿勢で読んだのが敗因ですね。
ホストという職業ながら、姿勢はビジネスマン。しかも誰かに夢を見せるというスタンス。そして、持ち前のカリスマ性と言葉の言い回が、ローランドの力強い美学を作り上げています。
参ったなぁ。ファンになりそう。
世の中には2種類の男しかいない。
俺か、俺以外か。
俺か、俺以外か。ローランドという生き方/ROLAND P42
メアリー・スーを殺して
乙一たちのアンソロジー
全て同一人物だったなんて知らなかった。
と、アマゾンのレビューを見ながらギョッとしました。
言われてみれば、どれも乙一っぽかったなぁ…。
個人的には、主人公の家のベランダに、偶におかしなものが引っかかる「山羊座の友人」と、
「人体楽器」という乙一のグロテスクな世界観が作り出す「エヴァ・マリー・クロス」がツボでした。
ちなみに本のタイトルの「メアリー・スー」とは、海外版の「俺TUEEE」系主人公です。
俺にはわかった。それがエヴァ・マリー・クロスの声だと。
メアリー・スーを殺して/乙一 P356
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