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先週の読書-君の世界に青が鳴る、直感と論理をつなぐ思考法、第3のチンパンジー

GWも終わりますね。この連休の中で一つやってみたい事が出来たので、なかなか良い休みでした。

君の世界に、青が鳴る

階段島最終章

最後の最後まで、切なくて、優しくて、丁寧。そして、素敵な物語だった。
この島には魔女が住む。魔法が存在する世界。そんな世界でも青春は儚い。
大人になるために捨てられた少年少女だからこそ、より一層儚いのかもしれない。

思わず笑ってしまいそうな青がそこにある。
生まれたてみたいな、何の汚れもない、でも何億年と繰り返されてきた、気高い光の散るところを見つめる。
「まるで、君みたいな星なんだよ 」

君の世界に、青が鳴る/河野裕 P309

直感と論理をつなぐ思考法

「妄想」を原動力にして、戦略化し自分の夢を叶える

PDCAを使ったカイゼン思考や、理論を軸にした戦略的思考などが主となっている世の中で、妄想を駆動力にして想像する「ビジョン思考」を提唱する一冊。
ビジョン思考とは何なのか?どうすればいいのか?そんな手引書かな。

妄想と言うと、聞こえが悪かもしれないが、これはいわゆる「夢」ってやつ。 そんなことできっこ無い。
そんな風に周りから笑われるような「夢」それをこの本では妄想と呼んでる。

そんな「妄想」を戦略化し、大きな飛躍をし「夢」を叶える。
それが、「妄想」と「理論」をつなぐ思考法。という事らしい。

PDCAみたいな世に出回っているビジネスメソッドは、与えられた仕事を効率よくこなす為の方法だと思っているのだけれども、この「ビジョン思考」は自分の中にある「妄想」を軸にしているところがとても良い。
これからの世界では、そういう仕事が求められる世界になるのだろうから、与えられる仕事が機械化される中で、自分が思い描く仕事、つまり「自分がやりたい事」に従ってどれだけ動く事ができるか?自分の中の原動力をどうやって育むか?そんな能力が必要とされる世界に進むために本書は最適かもしれない。

「直感から思考をはじめる」とは、「ただの妄想で終わる」ということではない。
ビジョナリーな人たちは、途方も無いビジョンを駆動力にしながらも、同時に「直感」を「理論」につなぎ、「妄想」を「戦略」に落とし込むことを忘れていないのである。

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN/佐宗邦威 P10

第3のチンパンジー

1.6%の違いは?

人間とチンパンジーの遺伝子は1.6%しか違わないそうだ。

では、たった1.6%しか違わない我々「第3のチンパンジー」は他のチンパンジーと何が違うのか?
人間はいつから人間になったのか?という人類の進化の話から、人類が歩んだ歴史をなぞる。
著者の今までの作品をぎゅっと詰め込んだ一冊。

サピエンス全史を読んだ時も思い知らされた事、「人類は他の種よりも特別ではない」という事。たまたま、他の種よりも少し早く脳の進化が起きた。それだけという事。
そんな人類は、「我ら」と「彼ら」という風に境界線を引き、当たり前のように大量虐殺を繰り返す。
そして、いつ再び、人類の大量虐殺が始まるかわからないが、いつでも起こす事ができる世界に、我々は生きているという事。

そんな、人類が歩んできた歴史と現実を「若い読者」に伝えてくれる。
なぜ、著者は「若い読者」のためにこの本を書いたのか?
それは…

自分の生涯を書き留めたビスマルクは、「私の子供と孫へ。過去を理解し、将来の手引きとするために」とその回想録を捧げた。
この精神こそ、私が自分の息子やその世代に本書を捧げる理由に他ならない。本書がたどってきた過去から私たちが学ぼうとするのであれば、その将来はほかの2種のチンパンジーの将来よりは明るいものになるのではないだろうか。

若い読者のための第三のチンパンジー 人間という動物の進化と未来 /ジャレド・ダイアモンド P379

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