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今週の読書-五覚堂の殺人、1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました、父が娘に語るとんでもなくわかりやすい経済の話。

最近、携帯を忘れる日が増えました。持ってても困らないので良いのですが、忘れていると、周囲から驚きと奇異の目で見られます。
携帯とは、現代人のシンボルなのではないかと思ったり。

今週は、周木律の堂シリーズ3作目と、お金と経済に関する本を読みました。

五覚堂の殺人

有限に閉じ込められた無限

どこまでも自己相似図(フラクタル)に囲まれた物語。
クローズドサークル系ミステリーなんだけど、トリックとかは正直どうでもよくて、その背景に描かれている謎が面白くて読んでいる。
今回のトリックは割と面白かったし、この堂シリーズのストーリーも佳境に入ってきたので、次の作品を読む楽しみが増える。

自己相似図だらけの建物内で起きた殺人事件。自己相似図に何を見いだすのか。

フラクタル。

それは、ある形の相似形が、無限にはめ込まれた構造だ。

それは漏斗のように、どこまでも人間を吸い込んでいく恐ろしい形だ。だがそれは、裏を返せば、どこまでも逃げ場を生む形であるとも言える。

あるいはそれは、心にも似ている。人の心は常に葛藤を繰り返す。葛藤が葛藤を生み、無限に繰り返されていくのだ。その繰り返しは、感性に添えば懊悩であり、知性に沿えば思索となり、体系化されれば哲学となるだろう。

五覚堂の殺人/ 周木律 P426

1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました

億万長者になるのに優等生である必要はなかった。

タイトルの通り、億万長者を対象にした調査記録。そこから、億万長者になるためには何が必要で何が不必要なのかを洗い出した一冊。

お金が全てではないけれど、この世のほとんどはお金だと思っています。
だから、僕はお金をたくさん手に入れる方法を模索しているのです。

この本の調査で一番ためになったことは、「お金持ちたちは優等生ばかりではなかった」ということ。
もちろん優等生も、医者や弁護士、企業幹部などの高給取りとして王道な億万長者だ。しかし、優等生ではなかった人たちは、高給取りとして雇ってもらえないから、自分で自分を雇った。そして、その事業で成功を収め億万長者の仲間入りをしているということ。
つまり、僕らは誰でも億万長者になれる可能性を秘めているということ。

じゃぁ、どうすれば億万長者の仲間入りができるのか?そんな疑問はこの本を読んで、その方法を学ぼう。そうすれば、後は行動する勇気を振るうだけだ。

COOLなライフスタイルで大切なのは「自由」であることだ。その中で最も重要なのは、お金から自由になることだ。

どうすれば、お金のしがらみから逃れる事ができるだろうか。もちろん色々な方法があるだろうが、その中で一番確実なのはお金のことを気にしなくてもよくなることだろう。

それはすなわち、「お金持ち」になることなのだ。

1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました / トマス・J・スタンリー P10

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

経済の物語

今まで読んだ、どの経済の本よりも分かりやすい経済の本。看板に偽り無し。まぁ、表紙で損してるような気がするが…。それでも、間違いなく良書。
ところで、なぜこの本は「娘」に語るのか?
それは、経済の知識が大人になった時に、「自分自身の周りで何が起きているのか?」と言うことを考える能力が培われるからだ。
その能力を育む事で、大人になった時に自立した考えを持つ事ができる。

この本の面白いところは、サピエンス全史などの知識が引用されていると言うこと。つまり、延々と経済の話だけをしていないこと。そのほかに神話やAIなど、幅の広い話をしながら経済を話をしている。いつも、経済系の本を読んでいると、知識不足で後半だれてくるのだけれど、この本はだれずに黙々と読めた。

最初の方で、参考図書がさらっと出てくるのだけれど、そこらへんを一度読んでいると、より引き込まれると思う。

大人になって社会に出ても精神を解放し続けるには、自立した考えを持つことが欠かせない。経済の仕組みを知ることと、次の難しい問いかけに答える能力が、精神の自由の源泉になる。
その問いとは、「自分の身の回りで、そしてはるか遠い世界で、誰が誰に何をしているのか?」というものだ。

父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。/ヤニス・バルファキス P241

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