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今週の読書-蝶のいた庭、ルーキー・スマート、もっと言ってはいけない

読んだ数より質、つまり、アウトプットだろう。と思ってはいるのですが、未だに読んだ数を数えてるあたり、人間とはままならないなぁ。と

蝶のいた庭

美しき庭の飛べない蝶たち

少女たちは〈庭師〉に誘拐され、美しき庭〈ガーデン〉に軟禁され続けていた。

そんな〈ガーデン〉から保護された一人の少女の取り調べからこの物語は進んでいゆく。少女の気ままな回想と少女と捜査官の取調室でのやり取りを行ったり来た入りしながら物語の全貌が見えてくる。

少女の語り口は冷めていて、死も凌辱も、さも当たり前のように語られるので、保護されているはずなのに、いつまでたっても救われていうようにも見えない不気味さがあって、なんとも言えない歪さに引き込まれてしまった。

冷たく暗いが歪な美しさを持った庭に舞う極彩色の少女たちが飛べない羽でもがいているような印象があって、まるでダークファンタジーだった。

ヴィクターが咳払いをする。「メリーゴーランドはこれで終わりだな」静かにいう。「今度は家族が君を待っている」

蝶のいた庭/ドット・ハチソン P411

ルーキー・スマート

ルーキーに戻る

今までの経験や知識に拘らないで、新人だった時の無知であるが故の情熱を取り戻せ!!的な本です。

僕らは成熟していくと仕事の質が新人よりも落ちていく事があるんですね。
それは、仕事のやり方が洗練されていくがゆえに、楽な仕事や楽な思考、いつも通りの仕事になっていくんですね。
そうなると、目的も良く考えずに仕事をして空振りをしたり、新しい発想が生まれなかったり、トラブルが起きた時に廻りを頼らずに問題回避が出来なかったり…と、融通の利かない思考の凝り固まった人間になっていくんですね。

だからこそ、新人だった時の無知さに立ち返ってみましょう。と言う事です。

僕もそのうち中堅になるときが来るので、凝り固まる前に本書に書かれているテクニックを使って、ルーキーに戻れるようにしようと思います。
とりあえず、「最悪、クビになってもいい!」というマインドを胸に明日も仕事していこうと思います。

これからの時代に欠かせないのは、頭の中に知識を蓄えておくことではなく、他の人たちの知識を利用できることだ。

卓越したリーダーや抜きん出て早いペースで物事を学べる人たちは、みんなの知識をうまく活用する方法を知っている。

ルーキー・スマート/リズ・ワイズマン P21-22

もっと言ってはいけない

言ってはいけない。けれど、知らなくてはならない事

行ってはいけない第二段です。何を言ってはいけないのか?
それは、あれもこれも遺伝子の影響があるから、努力すればどうとでもなるわけじゃないんだよ!!って話です。

レイシストと思われるような内容ですが、別にそういうわけではないです。
しかし、何の裏付けもなく言っているわけではない事が残酷なところ。
だからこそ、言ってはいけない。と言う事ですね。しかし、だからと言って知らなくていいわけでもないのです。

そんな、残酷な遺伝子の物語をつらつらと語りながら筆者が伝えたい事は「我々、日本人とは何なのか?」と言う事です。
世界の、人類の歴史を振り返りる事で「日本人」について考える。本書はそこにたどり着くまでだいぶ遠回りをします。そして、不快な事実を突きつけられます。それでも、それは知らなくてはいけない事だと思います。

本書では「人種(大陸系統)によって認知能力に違いがある」という説を紹介しているが、「なぜわざわざそんな不愉快な話をするのか?」と思う人もいるだろう。「傷つく人が一人でもいるなら、そんな話題を控えるべきだ」というのが、昨今では”良識”とされるようになった。

持ちらん、単なる露悪趣味でこれを書いているわけではない。本書を最後まで読めば「私(日本人)は何者か?」という問いを考えるのにことテーマが冴えて通れないことを理解してもらえるだろう。

もっと言ってはいけない/橘玲 P7-8

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