本格的に茹だるような暑さの夏がきましたね。
毎朝の出勤が辛いので、朝が温まる前に家を出て、喫茶店でアイスコーヒーを飲みながら読書に耽る日々です。これはこれでありです。
今週は、フランス発のベストセラー本と文章術系の本を2冊読みました。
6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む
ささやかに変化する物語
フランス発のベストセラー。
ミステリーばかり読んでいると、たまにはこう言う本に惹かれてしまいます。
断裁を逃れた本のページを通勤電車の中で朗読する日々の中で、いつもの電車のいつもの席で、誰ものものかもわからない日記と出会う。
その日記と出会った日から、主人公の人生が少しづつ色を取り戻すように変わっていく物語。
登場人物全てが個性的な存在感を持っていて、特に個性的なのが日記の持ち主の女性。
日記の描写を読んでいると、どんな人物なのだろうか。と、日記の中から想像していた。まるで主人公のように。
特別素晴らしい奇跡のようなことが起きるわけではないが、少なくとも世界はささやかなきっかけで簡単に変わってしまう。そんな世界が素敵で仕方がない。
ギレンが帰る時、ジュゼッペは手を大きく振りながら笑顔で「勘だけどな、お前の冒険もうまくいくような気がするよ」と小さな声で言った。
6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む/ジャン=ポール・ディディエローランP145
「9マス」で悩まず書ける文章術
いい文章を目指してこの手の本をすぐに買ってしまいます。
当たり前ですが、文書を書くことが苦手な人に向けた本なので、文章術の本ばかり読んで多少実践に移しているような人には、目新しい情報はないかなぁ。と
結局は、何を伝えたいのか?と言うざっくりした問いを、細かく分解して、自問自答しやすい質問にスケールダウンをする。そして、その自問自答した項目たちをかき集めて一つの文を練りあげる。
そのステップを9マスというフレームで展開する。と言うメソッド。
文章術系の本を読んだことない人には適しているのかもしれない。
そもそも、文章術の本ばかり読んでないで実践しなさいって話なんですけどねぇ。
「9マス自問自答法」
「9マス」で悩まず書ける文章術/山口拓郎 p20
9個のマス目を使って自分自身にインタビューして、自分で答えていくと言うものです。
頭の中で菅g萎えたことを書き出すことで情報が可視化されます。その結果、悩まずに文章を書くことができるようになります。
読みたいことを、書けばいい。
緩くも真っ当な文章術
元電通のコピーライターの肩の力が抜けた緩くも納得させられる文章術本。
僕みたいに文章術ばかり読んでしまって、頭が固くなったかもしれない人に読んで欲しい。
またもや文章術本ですが、他の文章術とはスタイルの違った文章術の本です。
他の文章術本で必ず出てくるのが「誰か一人ターゲットを決めて、その人に向けて書きましょう」と言うアドバイス。
しかし、この本では「最初に読むのは、書いているあなたなんだから、あなたが読んで楽しいと思える文章を書きなさい」と
だからこの本は隅から隅まで作者が読みたいと思ったことしか書いていない。そのくらい緩い。いちいち笑わせてくれる。しかし、そんな文の中に琴線に触れるような言葉が混じってたりして、あぁなるほど…と思わされたりする。
そして、たまにまともな文章術てきなアドバイスが入っている。
その中のアドバイスは特に突飛な内容ではなかったりする。
「結局、起承転結なのだ」とか「一次資料に当たりなさい」とか当たり前だけど他の文章術の本ではあまり書かれていないよなぁ。と
こうやって、ブログで物書きの真似事をしている僕は、「読みたいこと」と言うより「書きたいこと」を書いているなぁ。と読みながら気づかされました。
もっと肩の力を抜いて読みたいことを書こうかな。
この本は、そのような無益な文章術や空虚な目標に向かう生き方よりも、書くことの本来の楽しさと、ちょっとのめんどくささを、あなたに知ってもらいと言う気持ちで書かれた。
読みたいことを書けばいい。/田中泰延 P34
そして同時に、何より私自身に向けて書かれるものである。
全ての文章は、自分のために書かれるものだからだ。
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