アマゾンでポチった「充たされざるもの」が届きました。
あまりの厚みに圧倒されています。
とりあえず君は後回しだ….。
今週は、みんな大好きダニエル・カーネマンのファスト&スローと芦沢央の短編集を読みました。
ファスト&スロー
決断の仕組みを知る
数多くの実験調査をもとに、「私たちはどうやって物事を判断しているのか?」という根本的な仕組みを紐解いていく、21世紀の古典的名作。
心理学系のビジネス書には必ずと言っていいほど出てくるくらい偉大です。
特に出てくるのが「システム1」と「システム2」です。
僕らの脳は二つのシステムを使い分けています。それが「システム1」と「システム2」です。
システム1は自分でコントロールする必要のない思考で「2+2」のような簡単な計算から、相手の表情を見て「あ、なんか怒ってるな」と判断したり。と自動的に作動するシステムです。
そして、システム2は自分でコントロールしなければできない思考です。大量の文字の中から特定の単語を探し出したり、役所の申請書を書いたり。と、システム1ではできない思考をします。
そんな、僕らに共通でインストールされているシステムをもとに、僕らの様々な判断はどんな仕組みで行われているのかを掘り下げていく。
そして、掘り下げれば掘り下げるほど、僕らの思考は驚くほどいい加減で自信満々に機能しているんだなぁ。と苦笑いしてしまう。
自分自身の判断する仕組みを少しでも理解しておけば、余計な判断ミスや判断に使う時間やエネルギーを削減できたりするんじゃないかなぁと思い、お盆中に頑張って向かい合いました。
普段読む本より多少難しめで内容も濃いので、ページをめくる手があまり進まない骨太な本でした。
本書で私が目指すのは、認知心理学と社会心理学の新たな発展を踏まえて、脳の働きが今日どのように捉えられているかを紹介することである。今分野における特に重要な進歩の一つとして、直感的思考の驚嘆すべき点とともに、その欠点が明らかになってきたことが挙げられる。
ファスト&スロー/ダニエル・カーネマン P26
許されようとは思いません
たまには普段読まない作家の本を読もうと思い選んだ一冊。
作者がどんな作品を書いてきて、本書がどんな本かもわからないまま読みましたが、「あ、こんな感じね」と。個人的にはツボでした。他の作品も買ってみるかな。
五作の短編集からなる本作。それも全て、人間の持つ暗い部分から展開される物語になっていています。
焦りや、苛立ち、後悔、不安。と誰もが思う感情が、何かの拍子で全ての感情が真っ黒に塗りつぶされる。そんな深い闇を孕んだ物語はどうしてこんなにも唆られるんでしょうね。
個人的には「姉のように」が好きでした。
主人公が周りの目を気にしながら生活し、もしかしたら咎められるんじゃないだろうか?という思いが、必要以上に語られずに醸し出される雰囲気や構成が巧く、読んだ後に背中が冷えました。
「私を追い詰めたのは、本当に私の被害妄想だけだったんでしょうか」
許されようとは思いません/芦沢央 P250
この記事へのコメントはありません。