気づけば今年も4分の1しか残ってないですね。
ついこの前、令和元年を迎えて3分の1が終わったじゃないか!と思ってたんですけどねぇ。
光陰矢の如し。月日は放った矢の如くあっという間に過ぎていき、そして放たれたまま帰ってくることはない。
放たれた矢の数を数えるよりも、今残っている矢の数で何ができるかを考えていきたいですね。
今週はビジネス書は読まずに物語ばかり読みました。
また同じ夢を見ていた
人生とは。幸せとは
「人生とは〜みたいなもの」が口癖の少しませた女の子が幸せを探す物語。
物語の中で少女は、様々な過去を持つ女性たちと出会い、別れる。
少しと言うかかなりおませな少女。こんな子いないだろう。なんて思いながら読んだけれど、物語のキャラクターのキャラにケチつけるなんて野暮だよね。と読み終わって自分に突っ込んだり。
授業の課題で主人公菜ノ花は「幸せ」を探し始める。アイスにクッキーを乗せて食べた時でも、おばあちゃんとおはぎを食べた時も幸せを感じるけれども、探し求めている幸せとはなんとなく違う。
賢いが故に、刹那的な幸せを幸せとは言えない菜ノ花は、少しだけ知恵がついた大きな子供みたいな僕らがぼんやりと幸せを探している姿に似ているなぁ。と
生まれたことに理由なんかない僕らの人生を彩るのが「幸せ」なんてぼんやりとした個人的な概念。
もしも、その「幸せ」なんてものが見つかれば今日も明日も光り輝くのだろうか。なんて
そう言えば「君の臓物を食べたい」の住野よるの作品は初めて読みました。
ここ最近、涙腺が弱くなってきたので、涙腺に効く作品は避けていたのですが、今作が面白かったので、今更だけど読んでみようかなぁ。
黒は一つの染みも作らずに、だけれど一面が白いわけでもなく、この世界にこんなものがこれまでにあったのかどうかも分からない、もしかするとこの世界にその色は生まれたんじゃないかと思うほどの、そんな素敵な色が私の心に塗られたのです。
また同じ夢を見ていた/住野よる P242
この色が何色なのか、説明ができない私は、やっぱりいつも通りにしか言えません。
人生とは、私の味方みたいなものなのです。
「光だけあれば、まあ十分」
透明な君の後悔を見抜けない
目に見えない彼らの後悔
「衝撃と感動が詰まった恋愛ミステリー」と言うワードに惹かれて購読。
ちょっと盛り過ぎかなぁ。な感想。ミステリーといえばミステリーなのか…?
人助けが趣味の少年と記憶を失ったぼくとの出会いから始まる後悔の物語。
ぼくの後悔、彼女の後悔、彼の後悔。
後悔は往々にして僕らをそこへ縛り付ける。
物語の中の彼らも同じように後悔に縛られ前に進めず嘆いている。
当たり前だけど、僕らも等しく何かしらに後悔しながら生きている。
大きな後悔も小さな後悔も関係なく、誰にも見えない心の奥底にしまい込んで、後悔なんてないようなふりをしながら生きている。
それでも、抑えきれない後悔があって、そんな如何しようもないくらいに後悔に苛まれている人生に、手を差し伸べてくれる誰かがいることはきっと幸せなのかもしれない。
そんな風に思うと、ぼくにそんな誰か入るのかなぁ。と
逆に、ぼくは誰かに手を差し伸べることはできるかなぁ。なんて
「…きみにも、力になってくれる人が現れたらいいね」
透明な君の後悔を見抜けない/望月拓海 P61
青年が不思議そうな顔をする。
あとは、向こうから祈ることしかできない。
彼がいつか、解き放たれるようにと。
明るい夜に出かけて
明るい夜が紡ぐ青春
大学を休学して深夜のコンビニでバイトをする、心を閉ざした主人公の一人称で語られ続ける物語。
パッとしない日々の中で、バイト中に一人の女子高生と出会い、彼の灰色の日々が彩りを取り戻す。
主人公の一人称で語られ続けると言う物語の展開だからか、主人公の主観が色濃く語られていて、主人公の好きなものである深夜ラジオの話で半分くらいページを使ってるんじゃないか。と思うくらい実際に存在するラジオ番組ががっつり出てくる。
実際のラジオの内容が語られるけれども、ラジオを知らない僕みたいな読者にもわかるように語られるのでついていくことはできるが、ちょっとくどかったかもしれない。
そんな主人公の唯一の趣味であるラジオ番組へネタのお便りを送るハガキ職人である女子高生「虹色ギャランドゥー」(もちろん本名ではない)と出会ってから、ほんの少しの暗い部分を抱えた主人公の、陰った毎日が大きくは変わらないまでも、ささやかに彩られる。
明るい夜とは何なのかと言うことは深くは語られないが、この物語のきっかけである深夜のコンビニの灯なのか、深夜のラジオブースなのか、それとも闇夜に灯る明かり全てかもしれない。
太陽が照らす明るい日々から避けて、明るい夜に照らされる青年少女の青春物語だったのかも
明るい夜に出かけて
明るい夜に出かけて/佐藤多佳子 P327
幾千の闇の中から
明るい夜に出かけて
終わりのない時を数えて
明るい夜に出かけて
その声を探しに行く
一人 今は一人で
この記事へのコメントはありません。