毎年毎年誰が一年を終わらせてしまうのでしょうか。と考えた時に思いつくのはやっぱり自分自身です。
素晴らしかった自分を来年に持ち越し、ダメだった自分は今年に置いていきましょう。
今週は、市川憂人のミステリーとDaigo師匠の読書術、そして哲人ユヴァル・ノア・ハラリの新作を読みました。
ジェリーフィッシュは凍らない
悲哀の氷点下で揺蕩う海月はどこへ行くのか。
ジェリーフィッシュという名前の航空機の中で起きた殺人事件。六人の研究者全てが他殺とされるのだが、ジェリーフィッシュの制御が利かなくなり、雪山の不時着してしまう。
全てが他殺であれば、犯人はいったいどこにいったのか?そして誰もいなくなった系ミステリー。
空想科学的なSF要素に、叙述的なトリック、そしてクローズドサークルとが上手に混ざりあって、 緻密にストーリが構成されていて、読み終わったあとの違和感が一切なくて驚いた。 要素が多すぎるとどこかしらで破綻していたりして、肩透かしな時があるんですけど、 この作品は最後まで何も引っかからずに読み終えてしまった。
個人的には、空想科学的な要素でグッと引き込まれて、 最後の解決編に当たる後半で面白さが跳ね上がった作品でした。
「貴女が本当に全てを把握しているのなら、僕に問うべき事柄は一つしかないはずです。貴女は今から僕に、その正しい質問をしてください。僕はその問いにしか答えない。他のことには一切、回答するいつもりはありません。」 参ったわね、マリアは首を振った、静かに青年を見据え、口元に再び不敵な笑みを浮かべた。
ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人 P320
「それじゃ一個だけ。あんた誰?」
知識を操る超読書術
量ではなく質。本当の読書術
1日20冊もの本を読むメンタリストDaiGoの読書術が書籍としてようやく解禁。 そもそも、1日20冊ってなんやねん。って思ってたんですけど、誰も読破したとは言ってませんね。
小説は別ですが、実用書や知識書を読む目的は、自分が今欲しい情報にアクセスし、その情報を活用することが目的であって、量を読むことではないはずです。 そんな、自分の目的にあった情報を自分のものにするための本がこの超読書術です。
大量の情報、つまり大量の本の中から、必要な情報を仕分けして、自分が今欲しい情報に焦点を当てて、 なぜその情報が欲しいのか?をちゃんと理由つけしてから読む。 読んでいる最中に、たびたび情報を自分の言葉で要約して知識を自分の中で整理する。 そして、読んだ内容を忘れたら、思い出そうとすることをする。 そうやって、本の知識を自分の頭の中にインプットしていく。
一度読んだだけで本の中身をすべてインプットすることなんてできないから、 今自分が必要なことだけに焦点を当てるのが一番効率がいいなぁと その時自分が興味を持っている内容でないとわくわくして読めないし、 好奇心のない内容なんて読んでて楽しくない。
いつの間にか量を読むことに目的が移ってしまっていたので、 改めて、読書に対する自分の目的に気が付いた気がした。
小説や漫画のようにストーリを楽しむジャンルは別ですが、本は最初のページから最後のページまでじっくりと読まなければいけないわけではありません。
知識を操る超読書術/メンタリストDaiGo P12 (まえがき)
重要なのは、あなたが読書の前に「得たい知識」を明らかにすることです。
21Lessons
過去から未来。そして、現代への考察
哲人ユヴァ・ノア・ハラリの最新作です。 サピエンス全史では人類の過去を考察し、ホモ・デウスで人類の未来を考察してきた。 そして、副題である「21世紀の人類のための21の思考」 を、21世紀の哲人ユヴァル・ノア・ハラリが考察する。
現代を生きる我々人類が抱えている21の課題は幻滅に始まりテロや、神を通して、 この世界を覆ういくつもの課題を考察し、最後は瞑想で終わる。
テロリストは僕らを恐怖に怯えさせる少数精鋭のパフォーマーでしかないし、 神はいつの間にかグーグルアナリティクスに挿げ替えられている。
いつかはAIが僕らを管理してくれる。いつどこで何をすれば僕らは喜ぶのかを熟知してくれる。 そんな時に、僕らは管理される方を選ぶのか?各々がお気に召す選択肢を選べばいい。
そして、僕らの人生に意味なんてなくて、僕らを作り上げる物語も存在しない。 そんな世界で僕らはこれだけの課題に向き合わなければいけない。
謙虚さを胸に、ひたすら世界を観察し続ける。
今までは上下巻の構成だったが、今作は厚めの一冊で仕上がっている。
しかし、ボリュームは相変わらずの情報量。
現代がテーマなのに、既知の情報があまりにも少なすぎて自分で驚く。
私たちは何者なのか?
21Lessons 21世紀の人類のための21の思考/ユヴァル・ノア・ハラリ P12(はじめに)
人生において何をなすべきなのか?
どのような技能を必要とするのか?
科学や神、政治、宗教について知っていること、知らないことの一切を踏まえれば、今日、人生の意味について何が言えるのか?
こうした問いに答えようとするには、あまりにも野心的かもしれないが、ホモ・サピエンスは待っていられない。科学も宗教も科学も、揃って時間切れになりつつある。
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