最近、ノートとペンを持って難しめの本を読んでるのですが、理解が深まると同時に、そこから思いつく発想があったりして楽しい読書をしています。
本は、知識を得るだけではなく発想する道具でもあるんだなぁ。と
今週は、芦沢央の小説と詩人谷川俊太郎によるエッセイ、脳機能向上と運動との関連性に関する本を読みました。
悪いものが来ませんように
芦沢央によるミステリー小説。
帯の「どんでん返し」という売りに反応して買ってしまいました。
夫の浮気と子に恵まれない生活に悩む紗英、娘を溺愛する奈津子はボランティアのコミュニティに交われない日々に悩みながら生活している二人をメインとして物語が進む。
この二人は異常なほど仲が良い。周囲から冷たい目を受けるほど。
そんな二人の生活が、紗英の夫の死により変わり始める。
物語は二人の主観的なセンテンスと二人の周囲の人々へのインタビューで構成されている。 このインタビューが挟まることで、物語の雰囲気ががらっと危なっかしい雰囲気に変わっていく。 このピリつく感じでぐっと物語に引き付けられました。
あまり期待しすぎると肩透かしを食らうので、帯はさっさと捨ててうたい文句は忘れて読んでいたんですけど、 結果見事にやられました。畜生。
読み進めているうちに物語に違和感を感じ始め、最後でハッと気づく。久々に気持ちがいいくらいにやられました。
この子のもとに、幸せばかりが待っていますように。
悪いものが、来ませんように。/芦沢央 P12(プロローグ)
悪いものが、来ませんように。
そう繰り返し祈りながら、目を閉じる。
ひとり暮らし
詩人谷川俊太郎によるエッセイ。
本屋で見かけてなんとなく惹かれて購入。
著者の世界観や、詩で使う言葉を改めて解釈したり、著者のある日常だったり 詩人の生活というか世界が垣間見える作品だった。
個人的には、著者の詩で使われた言葉をめぐる章が面白かった。 嘘や愛、星や朝。僕らの日常に欠かせない要素を筆者の目線で改めて解釈するということは、少しだけ世界が広がるような感じがした。
言葉というのは何とも不思議な記号なだぁ。と
しかし「愛」だけでは捉えきれない何かが日本人にはある、日本語にもあると言うことにも、私は気付き始めています。そレヲ「情」と言う言葉で呼ぶことを私はもっと身近な人に教えられました。むしろ愛よりも情の方が大切なのかもしれないと言う感じかた、考え方は大袈裟に言えば反近代的なものですがmそれだからこそ日本人の石金貨に届くものがあるかもしれません。
ひとり暮らし/谷川俊太郎 P138-139(ことばめぐり)
脳を鍛えるには運動しかない!
兎にも角にも脳機能を向上したり、メンタルヘルス対策をしたいのであればタイトルの通り 脳を鍛えるには運動しかないのです!という本。
有酸素運動やウェイトトレーニングをすることで、脳のセンサが感知し脳や体の様々な器官に信号を送ることで、様々なホルモンが分泌され、体の燃料を作り出し、燃やして、筋肉繊維を強くしたり、脳の神経を成長させることができる。 結果、僕らは運動することで脳を鍛えることができる。
脳機能とメンタルヘルス対策の運動との結びつきを解説するには、 どうしても、脳科学などの知識が必要になるので、それに関する解説を読み解くのがなかなかハードだったけれども、ここを乗り越えると、自分の中で起きている生理的反応の仕組みが分かってすごく面白い。
うつの仕組みも不安の仕組みも普通に生活していれば誰も教えてくれない。
そもそも、当たり前のように生活に根付いているので仕組みなんて誰も考えない。
しかし、仕組みを紐解くことで、脳機能を向上させるヒントが隠されていて、 自分の体の仕組みや起きていることを知るって結構面白いなぁ。と思った一冊。
運動は解毒剤であると同時に予防薬でもある。誰でも老化する。なぜかと問われても、どうしようもないが、どのように、いつ老化するかについては、間違いなく打つ手がある。
脳を鍛えるには運動しかない!/ジョン・J・レイティ P280(第9章 加齢-賢く老いる)
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