今週は、気鋭の哲学者から見た世界、脳と芸術の関係について、そして、科学的な成長メソッドの本を読みました。
世界史の針が巻き戻るとき
世界の危機を照らす新しい哲学
「新しい実在論」と言う哲学モデルで「世界は存在しない」と言ってのけた、マルクス・ガブリエルが世界を読み解く。
筆者の提唱する「新しい実在論」という哲学モデルを通して、民主主義や資本主義、テクノロジーのそれぞれの危機を読み解く。
個人的に面白かったのはテクノロジーに関する内容。
ディープラーニングやAIの発達に期待され、様々なビジネスモデルや未来予想がされている中、筆者は、テクノロジーは非常によく働くが、同時に信用できないと語ったり、テクノロジーは凡庸を再現するだけだから、テクノロジーによる自動化も所詮は凡庸化するだけ。と、テクノロジーの発達がもたらす未来はそれほど素晴らしいものではない。と言う視点。
そして、テクノロジーによる自動化で生み出された余暇は結局インターネットに振り分けられ浪費するだけ。と言う話に納得してしまった。
神は死んだ。近代という「壮大な約束」も死んだ。こうした「死」を経た我々は、錨を失って漂う船のようになってしまったと言える。
世界史の針が巻き戻るとき/マルクス・ガブリエル P4(はじめに)
そうして今、「古き良き19世期の時代・国民国家の時代に戻ろうとする動きが力を増している」とマルクス・ガブリエルは言う。
芸術的創造は脳のどこから産まれるのか?
創造を科学する
ケンブリッジ大学に勤務し、音楽の神経科学を研究する医学博士による、創造性と脳の相関性の話。
創造性の仕組みを脳科学で紐解きながら、発想力の磨く方法や脳の成長に適した教育法まで語られていて、脳科学をさくっと学べる一冊。
脳科学という話れるとハードルが上がるけれども、本書はなるべく知見のない人にも伝わるように工夫されていて、あまり苦労せず読めるんじゃないな。と
創造すると言うのは、生物に与えられた至高の精神活動といえます。そのため、ある偉大な想像がなされ、そしてそれが多くの人から継承されたとき、人はそれを天からの啓示などと言い、創造性の問題は近年まで科学の対象とはなりませんでした。
芸術的想創造は脳のどこから産まれるのか?/大黒達也 P4,5(まえがき)
しかし、近年、脳科学や人工知能などの発展とともに、創造性の問題を脳科学的に論理づけようと言う試みが増えています。
PEAK PERFORMANCE 最強の成長術
負荷+休息=成長
集中法だったり休み方だったり、様々なエビデンスを基にした本を、ギュッと詰め込んだような一冊。
正直、シングルタスクとかパワーナップとか、マインドフルネスとか、ほとんどが知っているような内容で、あまり目新しさはなかったけれど、そこら辺を全く知らないで読むような人にはおすすめかもしれない。
科学的根拠に裏付けられているテクニックで網羅されているので、海外版メンタリストDaiGoの本。という感じかな。 ・
成長は限界ギリギリのせめぎ合いの中から生じる。スキルは苦悩から生まれる。
PEAK PERFORMANCE 最強の成長術 /ブラッド・スタルバーグ P62(第2章 絶対に成長に欠かせないこと)
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