去年の年末に大量にアマゾンで買った積読を崩す日々です。
なかなか崩し切れないですが、それもそれで楽しんでたり。
わたしを離さないで
今更読みました。
普段は小説はミステリーばかりなのですが、文学作品に触れると共感能力が育つと知ったので、早速触れてみました。
主人公キャシーの回想で進む物語。彼女の視点で全て語られるので、主人公と共に驚き、疑問に思い、虚しく思わされました。
まるで、彼女と共に、この残酷で切ない世界を生きているような気持ちでした。
読み終えた時には「物語なのに、なんでこんなにリアルで残酷なんだろう」と物思いにふけました。
とても緻密に作られている作品で、筆者の他の作品にも触れてみようかと。
新しい世界が足早にやってくる。科学が発達して、効率もいい。古い病気に新しい治療法が見つかる。素晴らしい。でも、無慈悲で、残酷な世界でもある。そこに少女がいた。目を固く閉じて、胸に古い世界をしっかり抱きかかえている。
わたしを離さないで/カズオ・イシグロ P415
シャーロック・ホームズの帰還
言わずと知れた名作短編集3作目。
宿敵モリアーティと滝壺に消えたホームズの帰還から始まる完全復活劇。
先ほど書いたように、ミステリばかり読んでいるので、たまには古典名作を読んで見るのはどうだろう?と思ってシリーズを読み始めたのがきっかけ。
モリアーティと滝壺に落ち、二人とも帰らぬ人になった方が伝説的なんじゃないのだろうか?と、野暮なことを思ってしまった。
しかし、いつ読んでも彼は「名探偵」であり「ヒーロー」には変わらない。
「久しぶりだね、ワトスン」懐かしい声がする。「すまなかった、どうか許してくれ。まさか気を失うとは思わなかったんだ」
私は彼の両腕をつかんだ。
シャーロック・ホームズの帰還/コナン・ドイル P14
マネジャーの最も大切な仕事
12000もの日報を調査した、とんでもない著者。
多くのマネジャーは、部下の生産性や創造性を向上させるには「やりがいのある仕事」や「インセンティブ」などをあげるが、実はそうじゃない!って本です。
仕事の生産性や創造性を向上させる要素は「進捗」であり、多くのマネジャーがこの真実を見逃している。それが、副題の「95%の人が見過ごす『小さな進捗』の力」ということですね。
管理職は必読な一冊。もちろん、管理職でなくても、自分の仕事を管理し達成するための知識として知っていて損はないですね。
あなたがマネジャーであろうと、会社員、学生だろうと「小さな進捗」を意識する事で素晴らしい成果が得られるでしょう。
はっきり言えるのは、進捗の支援は一筋縄では行かない。
だが、進捗の支援ほどマネジャーにとって大切な仕事はない。
マネジャーの最も大切な仕事/テレサ・アマビール、スティーブン・クレイマー P7
Learn Better
多くの実証研究調査と、学びの専門家への取材を通して「『学ぶ』ということは一体なんなのか?」という本質に迫った一冊。
学びには6つのステップがあり、そのステップを丁寧に紐解いているので「なるほど、そうなのか。そうすればいいのか」と納得し、実戦に移すことができる。
小手先の勉強法よりも先に「学び」について知った方が教育上よろしいのでは?と…。
何百人もの学生が受け身で講義を聞いている。「聞いていれば理解するだろう」というアプローチに効果がないことを示す研究は山ほどある。最近のある調査によれば、従来の講義式授業を取っている学生が単位を落とす確率は50%以上だという。
Learn Better / アーリック・ボーザー P25
魔法の世紀
大学助教授であり、実業家であり、メディアアーティストである『現代の魔術師』
恐らく、日本でいろんな意味で最先端な人物なんじゃないだろうか?
科学が発展した結果、古い世界認識を塗り替えるように世界に浸透していく。そんな世界を社会学者のマックス・ウェーバーは「脱魔術化」と呼んだ。
しかし、さらに科学が発達し「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。」世界が見えてきた。
そんな「魔法の世紀」に向かって静かに動き出している世界を、著者の視点で語られる一冊。
この先の未来を想いワクワクしながらページをめくった。
著者の本は何冊か出版されているが、最初に読むのであれば「これ」と本人も言っている一冊。
僕は別の本から入ってしまったから言える。まさしくその通りだった。
この一冊に彼のエッセンスがすべて詰まっており、ここから他の本へ派生しているんだな。と
そしてコンピュータ技術の発展を牽引したシリコンバレーのギークたちは、まさにクラークが大丈する20世紀のSF黄金期とその後のニューウェイブの強い影響下にある子供達でした。そんな彼らがコンピュータを手にした時に、かつてのSFで描かれていた「魔法」をこの世に実現し始めたのです。そう、「魔法の世紀」において、その魔法の素(マナ)となるのは、まさしくコンピュータなのです。
魔法の世紀/落合陽一 P15
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